2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15750145
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 善浩 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (90314541)
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Keywords | ジェミニ型脂質 / 人工細胞膜 / 脂質二分子膜ベシクル / 多細胞膜モデル / 擬クラウンエーテル / イオン認識 |
Research Abstract |
本研究では、アミノ酸残基を含む脂質がスペーサーを介して二分子連結された特徴的なジェミニ型構造を有する人工脂質を用いて、多細胞膜モデルなどの多彩な人工細胞膜モルフォロジーの制御を行うことを目的として研究を推進し、今年度は以下の研究成果を得た。 1.ジェミニ型ペプチド脂質の開発 ペプチド残基としてヒスチジン、アスパラギン酸を有するペプチド脂質2分子を、オリゴエチレンオキシドおよび長鎖アルキル基を介して連結したジェミニ型脂質を合成した。これらのアミノ酸部位は金属イオンの結合サイトを提供し、オリゴエチレンオキシド鎖はアルカリ金属イオンに対するホストとしての擬クラウンエーテルとして機能する。参照化合物としてジェミニ型構造を有しないペプチド脂質の合成も行った。 2.外部刺激をトリガーとする人工細胞膜ベシクルの会合制御 上述のジェミニ型脂質を、天然由来のリン脂質からなる人工細胞膜ベシクルに導入したハイブリッドベシクルを調製した。このベシクルは銅イオンないしはカルシウムイオンに応答して、そのベシクル間での会合が可逆的に制御されることが示された。ジェミニ構造を有さない参照化合物ではこのような結果は得られないことから、この挙動がジェミニ型の脂質構造に起因しているものであることがわかった。種々の分光測定の結果から、脂質二分子膜間がジェミニ型脂質により架橋されたベシクル間会合が誘起されていることが示唆された。 3.固体基板上へのベシクルの集積 溶液中におけるベシクル間の会合挙動を基板上に展開した。交互積層法により作成した高分子膜上にジェミニ型脂質を含むリン脂質からなる平面二分子膜を作成し、この膜上に金属イオン添加をトリガーとしてベシクルを集積しうることを見出した。この基板上への、ベシクルの集積挙動は原子間力顕微鏡および水晶発振子法により確認した。
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