2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15750158
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
宇井 幸一 東京理科大学, 理工学部 工業化学科, 助手 (60360161)
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Keywords | 常温型溶融塩 / イオン性液体 / リチウム二次電池 / 電解液 / 不燃性 / 炭素 / アルミニウム / LiCoO_2 |
Research Abstract |
【研究の目的】 リチウム二次電池の安全性向上のための対策技術として、不揮発性・不燃性という特徴を有する常温型溶融塩(イオン性液体)を不燃性電解液として応用することを試みた。平成15年度は、AlCl_3-1-ethyl-3-methylimidazolium chloride (EMIC)常温型溶融塩をベースとする電解液を用いて検討した結果、放電電圧3.2-3.7Vで作動すること、粘度や導電率などの電解液の物性よりも、Li^+濃度が高い液組成を用いる方が、放電特性が良好になるなどの知見を得た。そこで今年度は、高出力な不燃性二次電池の創製のため、以下の項目について取り組んだ。 【研究実施項目】 1.イオン性液体の支配的イオン種の解明とその幾何学的構造の解析 対象となるAlCl_3-EMIC-LiCl_<sat>-SOCl_2浴中に存在するイオン種を解明するため、ラマンスペクトルの測定を行った。その結果、Alの析出イオン種であるAl_2Cl_7^-は存在せず、アニオン種はAlCl_4^-のみ、カチオン種はEMI^+とLi^+が存在することが分かった。さらに、プログラムGAUSSIAN03を用いて、非経験的分子軌道計算を行った結果、Li^+は2つのAlCl_4^-のClと相互作用し、それらの距離は1.9-2.7Åであることが分かった。 2.新規電極作製方法の検討 昨年度に引き続き、合金系負極材料(Al)に注目し、めっき法により薄膜化して、その作製条件や作動条件を検討したところ、負極として順調に作動する条件を明らかにした。また、常温型溶融塩に適合する電極として、泳動電着法を用いたバインダーブリー正極の作製条件も検討したところ、正極として作動することが明らかとなった。 3.電極反応機構の解析 Alめっき負極のリチウム吸蔵・放出反応を調べるため、GD-OESを用いてAlめっき負極の深さ方向の元素分析を行った。その結果、充電時に形成されたLi-Alから、全てのLiが放出されておらず、充電深度が深くなるにつれて、Li残量が増加することが分かった。
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Research Products
(6 results)