2003 Fiscal Year Annual Research Report
層状化合物とポルフィリンから形成される特異なナノ複合体とその光捕集機能
Project/Area Number |
15750162
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
高木 慎介 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (40281240)
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Keywords | 粘土鉱物 / ポルフィリン / 無機有機複合体 / 層状化合物 / ナノ |
Research Abstract |
粘土-ポルフィリン複合体を合成し、複合体の微小構造についてのキャラクタリゼーションを行った。これまでの申請者の研究により、ポルフィリン分子が規則配列した複合体の構造が推定されている。この複合体では、ポルフィリン分子の間に適度な空隙空間があり、密に充填されていながら会合などの基底状態での相互作用を完全に抑制できるという極めて特異な構造を有する。本研究では、より広範な種類の粘土鉱物を複合体合成に適用し、どのような粘土とポルフィリンの組み合わせの時に、このような特異な性質を発現するのかを検討した。電荷発生機構の異なる三種の粘土鉱物を用いて、複合体形成挙動について、可視紫外吸収分析、蛍光分光分析により検討を行った。ポルフィリンの最大吸着量は粘土の種類により異なり、粘土鉱物の性質が複合体の構造に影響を与えることが明らかとなった。特に、ほぼ同じ電荷密度を有する粘土鉱物を用いてもポルフィリンの最大吸着量が異なることが見いだされ、粘土表面における電荷のソフトハード性が重要であると考察した。粘土表面電荷のソフトハード性について、ポルフィリン以外の色素においてもその効果について検討した。その結果、メチレンブルーの会合挙動や、メチルビオロゲンの発光挙動などに対しても大きな影響を与えることを見いだした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Miharu EGUCHI, Shinsuke TAKAGI*, Hiroshi, TACHIBANA, Haruo INOUE*: "The Size Matching Rule in Di-, Tri-, and Tetra-Cationic Charged Porphyrin/Synthetic Clay Complexes : Effect of the Inter-Charge Distance and the Number of Charged Sites"J.Phys.Chem.Solid. 65. 403-407 (2004)
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[Publications] Lucia, L.A., Yui, T., Sasai, R., Takagi, S., Takagi, K., Yoshida, H., Whitten, D.G., Inoue, H.*: "Enhanced Aggregation Behavior of Antimony(V) Porphyrins in Polyfluorinated Surfactant/Clay Hybrid Microenvironment"J.Phys.Chem.B.. 107. 3789-3797 (2003)
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[Publications] Shigeaki Funyu, Takehiko Isobe, Shinsuke Takagi, Donald A.Tryk, Haruo Inoue*: "Highly Efficient and Selective Epoxidation of Alkenes by Photochemical Oxygenation Sensitized by a Ruthenium(II) Porphyrin with Water as both Electron and Oxygen Donor"J.Am.Chem.Soc.. 125. 5734-5740 (2003)