2004 Fiscal Year Annual Research Report
溶液均一混合による微結晶二重ペロブスカイト磁性体の結晶構造制御
Project/Area Number |
15750165
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武田 隆史 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60344488)
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Keywords | 二重ペロブスカイト / 微粒子 / 磁気抵抗 / ゾルゲル / 真空封入 |
Research Abstract |
二重ペロブスカイトである鉄モリブデン酸ストロンチウムは室温で磁気抵抗効果を示し粒界のトンネル伝導の外部磁場による変化に起因すると考えられるが、不純物量、FeとMoの規則配列、粒径など多くの因子が関与しており磁気抵抗効果を高めるにはすべてを制御する必要がある。本研究では溶液混合による原料を用いて微結晶鉄モリブデン酸ストロンチウムの合成を行い、磁気抵抗効果と不純物量、FeとMoの規則配列、粒径の関係を調べた。 硝酸ストロンチウム、硝酸鉄、モリブデン酸アンモニウムの水溶液に硝酸を加えゲル作成、乾燥、粉砕後、空気中で焼成して前駆体を得た。その後還元雰囲気下で焼成して微結晶鉄モリブデン酸ストロンチウムを得た。900℃焼成の生成物は規則配列度が低く磁気抵抗比は1.8%であった。規則配列度を上げるために高温で焼成したが、規則配列度は増加するものの不純物量も増加し磁気抵抗が観測されなくなった。そこで、不純物量を増加させずに規則配列度のみを上げるために、不純物量の少ない生成物を真空封入して高温で再焼成を行った。Sr成分の揮発により錠剤表面部は不純物量が増加したが、錠剤内部では不純物量はほとんど変化することなく規則配列度を高めることができ磁気抵抗比も増大した。メスバスアー測定や飽和磁化の値の増加からも規則配列の増大が確認された。不純物量をある程度以下に減らしたうえで規則配列度を高めた場合に磁気抵抗比が増大することが明らかになった。
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Research Products
(3 results)