2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15750166
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 勝俊 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (60343042)
|
Keywords | メソポーラス物質 / 液相還元法 / 金属ニッケル / 界面活性剤 / 層状化合物 / XRD |
Research Abstract |
本研究は、界面活性剤ミセルを型剤として利用するメソポーラス物質合成手法を、新しく開発された金属析出法である液相還元法と組み合わせ、金属によって構成されるメソポーラス物質を合成することを目的としている。初年度である本年度は、ターゲットとする金属として、液相還元法によって容易に得ることができ、これまでの知見の蓄積が多いニッケルを選び、以下の2つのアプローチで合成を試みた。 1)層状物質経由の合成 層状物質である水酸化ニッケルの層間にミセルを挿入し、メソ構造を持つプリカーサー形成させ、続いてこれを還元するというアプローチをとった。界面活性剤としてcetyltrimethyl-ammonium bromideを共存させ、硝酸ニッケルと水酸化ナトリウムを混合した場合、不規則ながらもメソ規則性を持つ水酸化ニッケルが析出することがXRDの測定により明らかになった。来年度は、より規則性の高い物質の合成を試み、その物質の液相還元を行う。 2)液相からの直接合成 カチオン性の金属プリカーサーと相互作用を持ちやすいと考えられるトリブロックコポリマーを界面活性剤として用い、直接メソポーラス物質を合成することを試みた。金属プリカーサーとしてニッケルアセチルアセトナートを、還元剤としてNaBH_4を用い、2-プロパノール中で還元反応を行ったところ、低角度側にXRDピークを持つ物質が得られた。しかしこのピークがメソ構造に起因するものか、揃った微粒子径によるものかは明らかになっていない。来年度は、引き続きメソ構造を形成するために最適な合成条件(金属プリカーサー、溶媒、合成温度など)を探索しながら、型剤の除去方法を確立し、窒素吸着などのキャラクタリゼーションを行う。
|