2004 Fiscal Year Annual Research Report
脱離を伴う開環重合を基盤とした自発的ブレンド形成能のある高分子材料の開発
Project/Area Number |
15750175
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
羽場 修 山形大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (70261328)
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Keywords | 固相重合 / カチオン重合 |
Research Abstract |
1.研究の目的と本年度の目標 本研究では、1,3-オキサチオラン部位を有する高分子を合成し、これに開環重合を適用することによって生成するポリマーの構造を解析することを目的とする。本年度はこのうち以下の2点について検討することを目的とした。 (1)重合性に対する脱離基の構造の影響を検討することを目的として、2位に様々な置換基を導入した1,3-オキサチオラン化合物を合成し、その重合挙動を検討する。(昨年度よりの継続) (2)昨年度合成した1,3-オキサチオラン部位を有するポリスチレン型の高分子上でのカチオン開環重合について検討する。 2.本年度の研究成果の概要 (1)2位の置換基の構造が重合性に及ぼす影響について検討を行うため、2位にアルコキシ基を導入したオキサチオランの開環重合も検討した。この場合には対応するエステルの脱離が観測され、脱離成分としてケトンやアルデヒドのみではなくエステルも利用可能であることが示唆された。 (2)昨年度合成した側鎖にオキサチオラン環を有するポリスチレン型の高分子を用いて、高分子上でのオキサチオランのカオチン重合について検討した。まず、ジクロロメタン溶媒中での溶液重合を行ったところ、低分子のオキサチオランの場合と同様に定量的にポリ(4-ビニルベンゾフェノン)が脱離しながら重合し、ポリ(4-ビニルベンゾフェノン)とポリプロピレンスルフィドの混合物が得られることがわかった。さらに熱潜在性カチオン開始剤を加えた原料高分子のフィルムを作製し、それを加熱したところ同様の重合の進行が固相で起こることが確認できた。
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Research Products
(1 results)