2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機EL媒質を含むナノキャビティにおける2次元光波の励起と制御
Project/Area Number |
15760006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高原 淳一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (90273606)
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Keywords | ナノフォトニクス / プラズモニクス / 表面プラズモンポラリトン / 近接場光学 / 光導波路 / ATR法 / 有機EL / 2次元光波 |
Research Abstract |
表面プラズモンポラリトンの導波路である2次元光波伝送路を利用すると、回折限界を超えるナノメートル領域へ光を閉じ込めることが可能となり、ナノ光回路への応用が期待される。しかし、光ファイバー中の光信号をナノ光回路中の2次元光波へ変換する場合に、波数の差が大きいために結合効率の低さが問題となる。これを解決するため、我々は有機EL素子を用いて2次元光波を電流励起することを目標に負誘電体ギャップについて研究を行ってきた。昨年度までに有機EL素子からの2次元光波の直接励振を実験的に確認したほか、有限差分時間領域(FDTD)法によるシミュレーションにより、2次元光波を誘電体コアに閉じ込めガイドする方法について理論的に研究を行ってきた。本年度の成果は以下のとおりである。 1 (理論)全反射により高屈折率誘電体コアに光が閉じ込められガイドされることは、誘電体光導波路をはじめ良く知られている。今回、負誘電体光導波路において2次元光波の特殊な伝搬モードを用いることで、「低」屈折率誘電体コアで光をガイドできることをはじめて提案した。 2 (理論)負誘電体ギャップのギャップ間距離がゆるやかに小さくなる楔形導波路において、2次元光波が伝播するにつれて波数が断熱的に大きくなることをシミュレーションにより見出した。これにより、ギャップ間距離が大きい場所で2次元光波を高効率で励起し、それをナノメートル領域まで断熱的に縮小することが原理的に可能であることがわかった。 3 (実験)負誘電体ギャップ中のモードをATR法により詳しく調べた。負誘電体ギャップ中の2次元光波の結合モードを観測することに成功し、ギャップ距離により結合の強さを変えることに成功した。これにより、波長と励起角度を選べば、ナノ光回路応用にとって重要な隅結合モードを選択的に励起させることに成功した。 これにより2次元光波の励起方法の基礎を確立できた。
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Research Products
(6 results)