2004 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマによる表面水素反応の制御を利用した機能性有機分子薄膜の半導体表面での形成
Project/Area Number |
15760023
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
篠原 正典 長崎大学, 工学部, 助手 (80346931)
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Keywords | 半導体表面 / プラズマ / 表面水素 / 赤外分光 / 反応制御 / 有機半導体 |
Research Abstract |
20世紀後半の社会を支えてきた半導体技術と21世紀を支える技術となりえる有機半導体を融合する方法を開発するために本研究は策定された。半導体表面に良質な有機半導体薄膜を堆積するためには、反応活性な半導体表面を不活性化することが必要である。その表面処理法による良質なバッファー層の形成の有無が、有機半導体薄膜成長の良否を決定されるといっても過言ではない。これまで様々な方法が提案されてきているが、一般的に無機物をバッファー層に使うと有機半導体との熱膨張率の違いにより良質な有機半導体薄膜の形成は望めない。一方で、有機物を使うと熱に強い安定したバッファー層を形成しにくい。 そこで、本研究では無機物と有機物の中間の性質を持つといえるダイアモンド・ライク・カーボン(DLC)に注目した。なぜなら、DLCは炭素・水素を原料として形成され、作製法によって様々な組成および結合様式が形成できため、ハードのコーティング材料からポリマー状の構造まで様々な構造の形成が可能であるからである。その反面、DLCの構造が多様であるために、原子レベルでのその形成過程の制御が必要である。表面水素の結合状態の制御がDLC薄膜形成に重要な役割を果たすと考えられる。 メタン・水素プラズマ及びメタン・アルゴンプラズマによる薄膜形成過程について、多重内部反射型赤外吸収分光法を中心とし薄膜の形成過程を調査した。また、プラズマ中でどのような分解種が生成されているのかを質量分析法および発光分光法を用いて調査した。その結果、原料が分解されDLC薄膜が形成されていく様子を実時間で観測することに成功した。また、圧力のちがいによりDLCの成長過程が異なることが分かり、国際会議等で発表すると共に、国際的に有名な洋雑誌に論文に投稿し受理・掲載されている。
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Research Products
(6 results)