2004 Fiscal Year Annual Research Report
広い波長幅を持つ極短光パルスの発生と半導体光増幅器ダイナミクス測定への応用
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15760025
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
片山 健夫 山形大学, 工学部, 助手 (80313360)
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Keywords | 超高速光エレクトロニクス / 半導体光増幅器 / スーパーコンティニウム光 / 光計測 / 非線形光学 |
Research Abstract |
本研究は、光通信波長帯(1.55μm帯)での半導体光増幅器(SOA)の超高速なキャリアダイナミクスを測定する手法を開拓し、光信号処理のための機能素子としてのSOAの特性の解明を行うことを目的としている。 本年度は、ヘテロダイン・ポンプ・プローブ法により、高いSN比と分解能を有したダイナミクス測定を行った。ヘテロダイン・ポンプ・プローブ測定では光パルスの周波数シフターが不可欠であるが、周波数シフターにより極短光パルスのパルス時間幅が広がってしまうという問題が生じる。そこでパルスの広がりを適当な長さの光ファイバで補償することにより、短光パルス化を行った。波長ごとに補償光ファイバの長さを最適化することで、SOAの利得波長帯域の全域で100fs台の極短光パルスを得た。この光パルスを用いて、広い利得波長帯域を実現するためにバンドギャップの異なった多重量子井戸構造を活性層に有するSOAのキャリアダイナミクス測定を行った。任意の波長の100fs程度の短パルス光を用いてポンプ・プローブ測定を行うことで、キャリアの再結合時間とキャリアヒーティングの波長依存性を測定した。測定結果から高エネルギーである短波長側の量子井戸ほどキャリアの回復が遅く、キャリアヒーティングの回復速度の波長依存性は小さいことがわかった。線形利得変化の大きさは短波長ほど大きかった。キャリアヒーティングによる利得変化の大きさは、通常のSOAとは異なり長波長ほど大きかった。これはバンドギャップエネルギーの異なった量子井戸の間でキャリアの移動が起こっているためだと考える。さらに、ヘテロダイン・ポンプ・プローブ法ではポンプ光と同じ波長のプローブ光で利得変化を測定することが出来るため、スペクトルホールバーニングによる利得の変化も測定でき、100fs以下の応答速度であった。
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Research Products
(2 results)