2003 Fiscal Year Annual Research Report
Ybを熱拡散添加したニオブ酸リチウム導波路レーザに関する研究
Project/Area Number |
15760029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤村 昌寿 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80263218)
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Keywords | 光導波路 / 導波路レーザ / 希土類 / ニオブ酸リチウム / イッテルビウム / 光集積回路 / 固体レーザ / 熱拡散 |
Research Abstract |
Yb熱拡散LiNbO_3(LN)導波路レーザに関して実施計画に従って研究を遂行し次のような成果を得た. 1)YbのLNへの熱拡散技術を確立:拡散源であるYb薄膜を種々の膜厚に真空蒸着堆積したLNに対し,石英管拡散炉を用いて酸素雰囲気中熱処理(摂氏1100度,250時間)を施した.Yb拡散源の膜厚が48nmまでであればすべてのYbがLN中に拡散されて平滑な拡散表面が得られることを見出した.斜め研磨したYb:LNでの蛍光強度の励起光照射位置による変化からYb深さ方向分布を測定し,拡散深さが6.5μmであることが分かった. 2)Yb:LN-APE導波路の基礎レーザ特性の測定:アニールプロトン交換導波路をYb:LN上に作製,導波モード近視野像・伝搬損失などの基礎導波路特性測定,白色光を光源として用いた吸収スペクトル測定,光励起した時の蛍光スペクトル測定や蛍光寿命測定を行った.吸収断面積を算出し,既報告データの矛盾を解決した. 3)導波路レーザシミュレータ開発と最適デバイス設計:レート方程式解析と逐次近似法を用いたYb導波路レーザシミュレータを作製,測定したデータを反映させて、Yb導波路レーザの動作予測を行った.理論閾値20mWを得た. 4)導波路レーザ作製と評価:Yb:LN-APE導波路の両端面に誘電体多層膜ミラーを装荷し、導波路レーザ発振器を作製した.Ti:Al_2O_3レーザ光による励起(波長0.92μm)で、波長1.06μm付近でのCWレーザ発振を達成した.閾値は41mWであった. 以上のように本年度は大変豊富な成果が得られた.現在複数のオリジナル論文として成果を発表すべく投稿準備中である.
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