2004 Fiscal Year Annual Research Report
繰返し押込み荷重負荷試験によるDLC薄膜の疲労強度の解明
Project/Area Number |
15760061
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小山 敦弘 長崎大学, 工学部, 講師 (40324800)
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Keywords | インデンテーション / DLC / 電子線誘起超音波顕微システム / 非破壊内部観察 / 超音波信号 |
Research Abstract |
昨年度作成したレーザー変位形を具備した球圧子を用いたインデンテーション試験装置を用い,DLC薄膜を有する単結晶シリコンの押込み荷重-押込み変位関係の測定を行なった.その際,膜厚の影響を調べるために,膜厚の異なる3種のDLC試料を用いた.すべての試料に対して,試験終了後の薄膜と基材の界面状態を調べるために,集束イオンビーム加工装置を用いた試料内部観察を行ない,本試料では薄膜と基材の界面にはく離が生じないことを確かめた.これらの試験結果および観察結果をもとに,有限要素解析を施すことにより,薄膜および界面の強度の解析を行い,き裂は半径方向応力により生じることがわかった.さらに,DLC膜厚が小さいと基材であるシリコンの異方性の影響を受けたき裂が生じ,膜厚が大きくなるとDLCが持つアモルファス構造の影響が顕著となることがわかった. それと同時に,現有のSEAMシステムでは,試験片内部の情報を得るには,精度が十分ではないため,SEAMの電子線照射による試験片からの超音波信号の増幅を行うためのチャージアンプ型増幅回路の作成を行った.SEAMからの超音波信号は非常に微弱で,周波数が高いため,超音波信号検出器であるPZTの信号をトランジスタを用いたヘッドアンプによりインピーダンス変換を行うとともに増幅し,ノイズの影響を受けにくくした.さらに,試料ホルダーと増幅アンプ一体型の信号検出器を作製し,電子線誘起超音波信号の検出精度を向上させた.また,検出した電子線誘起超音波信号を画像化するプログラムを改良することにより,画像の解像度の向上および利便性の向上を行なった.さらに,SEAMの分解能に及ぼす観察条件の検討を行い,電子線断続周波数が高いほど,観察像が鮮明になることがわかった.
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Research Products
(2 results)