2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子動力学法による二元系非晶質金属の繰返し荷重下の損傷蓄積のメカニズムの解明
Project/Area Number |
15760065
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中谷 敬子 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (60295714)
|
Keywords | 分子動力学法 / アモルファス / Cu-Zr合金 / 損傷 / 疲労 / 力学特性 / 変形 / 破壊 |
Research Abstract |
アモルファス合金は、その低い剛性にもかかわらず、静的強度、衝撃破壊強度、疲労強度のいずれも大きいという特徴を持ち、その製品の開発が進んでいる。昨年度は、Zr単結晶および、Cu-Zr系の合金の結晶層に対する原子間ポテンシャルを提案し、弾性係数を始めとする力学特性の評価、および、弾性安定性を調べることにより、提案したポテンシャルパラメータの妥当性を確認した。 さらに、提案した、Zr結晶に対するポテンシャルは、構造の総変体に深く関与することが知られているT1フォノンのN点での不意安定性も良好に再現しており、従来のパラメータよりも優れていることを確認している。 今年度は、この研究をさらに進めて、申請者らが構築しているCu-Zr合金系の結晶相に対する原子間ポテンシャルを用いて、Cu-Zr系アモルファス合金の生成シミュレーションを実施し、その構造安定性と進行過程振のメカニズムを調べた。参照系を適切にとれば、安定したアモルファス構造を得ることを確認した。結晶構造のポテンシャルエネルギよりも、アモルファス構造のそれが低くなる結論を得たが、これは、相互作用の角度依存性を表現する指標である、スクリーニング関数を、より、詳細に、場合わけしてやり、適切な値を設定することで、この問題を回避できる可能性があることを示した。 また、単軸荷重を負荷することにより、ミクロレベルで、構造がどのように変化するかを、ボロノイ多面体解析、動径分布関数、拡散係数を評価することによって、検討を試みた。
|
Research Products
(6 results)