2004 Fiscal Year Annual Research Report
圧縮残留応力を生成する複合エンドミル加工法の開発とその解析的評価
Project/Area Number |
15760075
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
笹原 弘之 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (00205882)
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Keywords | 切削 / 工具 / 残留応力 / 機械加工 / 疲労寿命 / ショットピーニング / エンドミル / 粗さ |
Research Abstract |
切削と同時に,工具刃先近傍での被削材の変形状態をコントロールしうる工具形状もしくは切削と両立する外的な作用を与えることにより,加工面に生成する変形を積極的に利用して切削による形状創生と圧縮残留応力の付与を同時に実現する工具の開発を行い,以下の知見を得た. 1.通常のブルノーズ型のエンドミルの中心に,切れ刃よりもわずかに突出したピンを設置し,このピンに押しならしを行わせることにより,1本のエンドミル状の工具で材料除去と形状創生を行うと同時に,加工面層に圧縮の残留応力を生成することが可能であることを明らかにした. 2.本工具を用いることで,切削加工と同時に加工表面層に高い圧縮残留応力が生成可能であることが分かった.深さ方向の残留応力分布は,加工表面で-100〜-200MPa,加工表面から0.05mmの深さで最大の-300〜-400MPaを示し,以降漸減する. 3.本工具により加工された表面の粗さは,湿式で1μmRa以下,乾式でも2μmRa以下であり,機械構造部材として充分使用可能である. 4.圧縮残留応力生成工具により加工された表面には,0.1mm程度の加工硬化層が生成する. 5.条件設定による残留応力の制御性について検討した結果,ピックフィード幅による制御性が最も高く,加工表面層に生成される残留応力の大小及びピーク位置を制御できることを示した. 6.圧縮残留応力を生成できる開発工具では,ピンが加工表面を切削と同時に押しならすことで高い圧縮残留応力を得られるが,ピンの付き出し量の変化に対して,残留応力分布のピーク位置は変化するものの,加工表面層の残留応力にはあまり変化がないことを示した.
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Research Products
(4 results)