2003 Fiscal Year Annual Research Report
湿式プロセスによる傾斜および複合セラミックス工具の開発
Project/Area Number |
15760085
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
生田 明彦 近畿大学, 工学部, 講師 (70330321)
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Keywords | 湿式プロセス / セラミックス / 工具 / 焼結 / アルミナ / ジルコニア |
Research Abstract |
粉末を分散させた低粘度のスラリー(泥漿)を型に装填して静水圧的に加圧して成形するため,緻密な成形体や組成の傾斜化および均一な分散状態を容易に得ることが期待できる「湿式プロセス成形法」を採用する本研究では,湿式プロセスを用いた傾斜化および複合化による高機能セラミックス工具製造技術の確立を研究目的としている.その中で,本年度は以下の点について検討を行った. (1)一般的な焼結用粉末を工具材料として,易焼結アルミナ,易焼結アルミナ+ジルコニアおよび高純度アルミナ成形体を得た後,大気中での常圧焼結により,条件を変化させて焼結を行った.その後,密度,破壊靭性値および曲げ強さの測定ならびに焼結体組織の観察により最適な焼結条件について調査した.その結果,各材料とも,焼結温度1823K,焼結時間5.4ksにおいて良好な焼結体を得ることができた. (2)最適焼結条件調査の結果に基づいて,加圧鋳込みを繰り返す湿式プロセスにより実際に工具を試作し,焼結組織および収縮率の観点から,傾斜および複合セラミックス工具の作製プロセスの妥当性について検討した.その結果,湿式プロセスにより,良好な界面を有する傾斜および複合セラミックス工具を得ることができた. (3)市販のセラミックス工具および基材部を易焼結アルミナとし,表面を易焼結アルミナ+ジルコニアとして傾斜化させた試作工具を用いて実際の切削を行い,それぞれの工具寿命を測定して,これら工具の寿命および損傷形態について比較検討し,試作工具の有効性を調査した.その結果,市販工具と同様の工具摩耗形態を示したが,使用したごく一般的な焼結用粉末では,工具寿命の点で劣ることがわかった. これらにより,ごく一般的な焼結用粉末を使用しているにも関わらず,湿式プロセス成形法による傾斜および複合セラミックス工具には有効性が認められ,その作製プロセスを確立した.
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Research Products
(2 results)