2003 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチャンネル内の気液二相流動特性に及ぼす各種影響因子の抽出
Project/Area Number |
15760114
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
川原 顕磨呂 熊本大学, 工学部, 助教授 (20224818)
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Keywords | マイクロチャンネル / 気液二相流 / 圧力損失 / ボイド率 / 物性値 / 流路サイズ |
Research Abstract |
通常口径の流路内の二相流れに比べると,マイクロチャンネル内の流れは,重力よりも表面張力,液粘性による影響が支配的となり,管径の影響による寸法効果が大きくなると考えられる.マイクロチャンネルに関する既存の実験の多くは供試液体に水のみを用いているため,液物性値の流動特性に及ぼす影響は明らかではない.さらに,管内径を系統的に変えた実験もないので,流路サイズの影響も明らかではない.そこで,本研究では液物性値と管内径を変えて,マイクロチャンネル内の単相流と二相流の圧力損失とボイド率に及ぼす影響を実験的に調べた.作動流体として気相に窒素ガス,液相にエタノール水溶液を用いた.そして,エタノール水溶液の重量濃度を変えることにより,供試液体の表面張力および粘度を変えた.流路には溶融シリカ製の円形マイクロチャンネルを使用し,その内径を75,100,176,251μmに変えた. 液単相流の実験から,本実験範囲内では,マイクロチャンネル内の単相流でときおり報告されている層流から乱流への早期遷移は供試液体の種類によらず観察されず,また管摩擦係数は通常口径管の理論値とほぼ一致した. 二相流の流動様相を観察したところ,液の種類によらず流動様相は互いに類似していた.また,二相流の摩擦圧力損失は適切な二相摩擦乗数を用いればLockhart-Martinelli法により予測可能であることが分かった.なお,マイクロチャンネルの二相摩擦乗数は通常口経管のそれよりかなり低い値となることが分かった.さらにDuklerらの均質二相粘度を用いた均質流モデルも本実験値を予測可能であった.次に,ボイド率の実験値に関し,気体体積流量比に対する変化の特性が管内径によって大きく異なり,管径の影響が大きいことが分かった.ボイド率の予測に関しては,すべての管径に適用できる既存の予測式は見当らなかったので,本実験値に適合し得る式を検討中である.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M.Kawaji: "Effects of channel diameter and liquid property on void fraction in adiabatic two-phase flow through microchannels"Proc.of Microchannels and Minichannels-2004, Rochester, New York, USA.. (2004)