2003 Fiscal Year Annual Research Report
テレメトリシステムを用いた液中粒子のダイナミクスに関する研究
Project/Area Number |
15760115
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
原田 周作 琉球大学, 工学部, 助手 (80315168)
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Keywords | 混相流 / 流体力 / 潤滑理論 / 流体力学的相互作用 / 微粒子 |
Research Abstract |
近年、ナノ・マイクロテクノロジーの発展に伴い、特定の波長の光を吸収する半導体粒子などの機能性微粒子の研究が盛んに行われており、溶媒中における微粒子挙動の解明が求められている。しかしながら低Reynolds数条件における粒子間の流体力学的相互作用は、長距離性を有すること、また近接極限において連続体近似が破綻することなど複雑な因子を多く含むため、溶媒中における微粒子の分散・凝集のダイナミクスはほとんど明らかにされていない.本研究では、このような粘性流体中における固体粒子のダイナミクスに関連する研究として,液体中の粒子の自由運動にともなう流体力を直接測定し,さまざまな力学的条件における粒子間の流体力学的相互作用の詳細を調べている.一連の研究の第1段階として,ピエゾ抵抗型3軸加速度センサ,信号増幅部および電源部からなる小型回路(直径12mm)をアクリル製中空粒子に内蔵した加速度計測用粒子(以下,センサ粒子)を製作し,粘性流体中の1自由度運動(固体壁面に接近する振子運動)に伴う粒子加速度の変化を測定した.また外部からLED変位計,レーザ変位計を併用した粒子変位の非接触測定を行った.外部からの粒子変位測定により,Reynolds数1〜10程度の条件における粒子-固体壁面の接近時の粒子挙動が明らかとなった.固体壁面への接近時に潤滑効果による過大な流体力が作用し,壁面近傍で急激な減速運動を行う粒子の加速-減速過程は,低Reynolds数条件の定常流体力および非定常流体力の線形和により得られる粒子軌跡と定量的に一致した.本実験結果から,流体中の固体衝突に伴う流体力学的効果の詳細が明らかとなった.なお,センサ粒子による加速度測定に関しては,現段階では定量的な考察が可能となる精度での測定は不可能であった.
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