2003 Fiscal Year Annual Research Report
放射状自由液膜流の乱流遷移による液膜穿孔過程と微小液滴生成過程の詳細観察
Project/Area Number |
15760116
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
脇本 辰郎 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10254385)
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Keywords | 微粒化 / 乱流遷移 / 安定性 |
Research Abstract |
円盤上に形成させた液膜を円盤周端から大気中に放出してできる放射状自由液膜流では,液膜内部の速度分布に起因して乱流遷移が生じ,遷移直後で液膜に多数の穿孔が生じて液膜が微粒化する.本研究は微粒化過程を拡大撮影し,詳細に観察して穿孔と微小液滴生成のメカニズムを明らかにしようとするものである.撮影には現有する電子式超高速シャッター付カメラを用いた.使用した電子式超高速シャッター付カメラは極めて短い露出時間で時間的に近接した2コマの画像を撮影することができる.本年度は,このカメラを実験装置に設置するため,実験装置を一部改造し,水を供試液体として実験を行なった.なお,光源には出力3Wのグリーンレーザーを用いる予定であったが,光量が不足したため,光源をストロボに変更して撮影を行った。カメラとストロボとの同期回路は自作した.撮影は露出時間を200nsとし,10μsの時間間隔で2コマの画像を撮影した.その結果,乱流遷移直後に局所的に薄膜部が形成され,薄膜部において穿孔が生じることがわかった。また,薄膜部における孔の拡大速度が少なくとも10m/s以上であることを明らかにした.孔の拡大速度から薄膜部の液膜厚さを推算すると数μm以下であり,薄膜部は極めて薄くなっているものと考えられる.しかし,孔の拡大速度がこのように極めて高速であったため,薄膜部を孔が拡大する過程や穿孔の瞬間を捉えるまでには至らなかった.また,微小液滴の生成現象についても同様に極めて高速であったため,その生成メカニズムを明らかにするまでには至らなかった.来年度は画像のコマ間の時間間隔をさらに短くして撮影を行いこれらの点について調べる予定である.また,供試液体にグリセリン水溶液とエタノール水溶液を用いて実験を行い,微粒化現象に及ぼす液体物性の影響について明らかにする予定である.
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Research Products
(1 results)