2004 Fiscal Year Annual Research Report
放射状自由液膜流の乱流遷移による液膜穿孔過程と微小液滴生成過程の詳細観察
Project/Area Number |
15760116
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
脇本 辰郎 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10254385)
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Keywords | 微粒化 / 乱流遷移 / 液膜 |
Research Abstract |
円盤上に形成させた液膜を円盤周端から大気中に放出してできる放射状自由液膜流では,液膜内部の速度分布に起因して乱流遷移が生じ,遷移直後で液膜に多数の穿孔が生じて液膜が微粒化する.本研究は微粒化過程を拡大撮影し,これを詳細に観察して穿孔と微小液滴生成のメカニズムを明らかにしようとするものである.撮影には現有する電子式超高速シャッター付CCDカメラを用いた.このCCDカメラは極めて短い露出時間で時間的に近接した2コマの画像を撮影することができる.光源にはストロボを用い,CCDカメラとストロボを同期させて撮影した.露出時間は200nsとし,5〜35μsの時間間隔で2コマの画像を撮影した,撮影光学系の空間分解能は約5μmであった. 以上の撮影装置を用いて液膜の微粒化過程を観察した結果,遷移直前に現れる2次元的な波動が下流方向に発達して紐状の構造と薄膜状の構造が交互に形成され,紐状構造が屈曲して薄膜状構造が薄く伸張・拡大されることがわかった.また,薄膜状構造周縁の微細な粒状波と薄膜状構造内部のしわ状の変形が薄膜状構造に外乱を与えて穿孔が生じることを明らかにした.穿孔後の薄膜状構造における孔の拡大速度は約100m/sに達し,この拡大速度と液体の表面張力から薄膜状構造の液膜厚さは数μmと推定された.さらに,薄膜状構造周縁の微細な粒状波が突起状に成長していることを明らかにし,このような突起が微小液滴の原因となることを示した.
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Research Products
(2 results)