2003 Fiscal Year Annual Research Report
不規則な混合気点火遅れの統計的解析手法を用いた検討
Project/Area Number |
15760136
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
瀬川 大資 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (00264804)
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Keywords | 気体燃料 / 燃焼 / 混合気 / 点火遅れ / 分布関数 / ワイブル分布 |
Research Abstract |
可燃性の物質が点火する過程において現れる遅れ時間,つまり点火遅れは比較的大きなばらつき(統計的変動)をもつ.このような変動をともなう点火遅れの機構を解明する第一歩として,本研究は,均質な可燃性混合気が熱面点火または火花点火するときの点火遅れに関する実験データを取得し,その統計的解析法について検討,提案することで,点火機構の解明と制御に資することを目標としている.熱面点火のための熱面には金属線を用い,電力で急速過熱して一定温度となるよう制御する.火花点火では,対向した針状電極の間隙に容量火花を形成する.混合気は密閉容器に入れ,その中で点火・燃焼させる.点火遅れの測定には,燃焼反応開始にともなう密度変化,温度変化や自発光を利用する。 本年度は,以上のような研究方針に沿う熱面点火実験,火花点火実験に必要な,均質混合気調製容器,観察窓を有した密閉燃焼容器,熱面点火装置,火花点火装置,光学式点火検知装置などを自作した.また,計画どおり熱面点火に関する予備実験を行った.その結果,プロパン/空気可燃性混合気をニッケル熱面で点火し,混合気の温度変化から点火遅れを検知した場合,その点火遅れは熱面温度1600Kで0.1〜0.3s程度ばらつくこと,そのばらつきは混合気の当量比により変化すること,いずれの場合にも点火遅れはワイブル分布で整理されることが明らかとなった.さらに,熱面点火の点火遅れはワイブル分布での摩耗故障タイプに分類され,これは混合気への熱移動を中心とした点火過程,温度変化を利用した点火遅れ検知方法に対応することが,確認された.
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