2003 Fiscal Year Annual Research Report
電磁・圧電ハイブリット・アクチュエーション・システムの研究
Project/Area Number |
15760145
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
青柳 学 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (80231786)
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Keywords | 圧電アクチュエータ / ブレーキ / 変位拡大機構 / ハイブリット / ピエゾドライバー / 高速応答 / ドラム型 |
Research Abstract |
積層圧電アクチュエータ(MPA)を用いてドラム型圧電ブレーキの設計および試作を行った。無電界でブレーキが作動する構成である。設計は購入したパーソナルコンピュータにより有限要素法を用いて行った。試作したブレーキの構成を以下に述べる。 このブレーキはMPAと変位拡大機構からなるブレーキアクチュエータ(BA)、ホイール、固定治具、与圧調節器から構成されている。変位拡大機構はSUS製あり、二等辺三角形状の底辺付近にMPAを配置し、MPAの伸びによって、向い合う頂点を大きく変位させる。頂点部分はT字状になっており、先端にはブレーキシューが配置されている。同じBAを2つ作成し、治具に与圧調節器を介して固定し、同心配置された直径131mmのホイールの内側にブレーキシューを与圧調節して接触させる。MPAに電界を加えるとホイールとブレーキシューが分離して、ブレーキを解除する。購入したピエゾドライバーによってBAを駆動させたところ、変位拡大機構はMPAの発生変位を3倍程度に拡大させることができた。また、立上がり、立下りの変位応答時間はそれぞれ530μs、 445μsであり,高速な応答特性が実現できた。さらに、圧接力変化は25Nであり、立上がり時220μs、立下り時240μsで高速に応答した。また,0.85Nmのブレーキトルクが得られた。これは小型電磁モータを制動するに十分なブレーキトルクと思われ、電磁・圧電ハイプリット・システムに応用可能な高速圧電ブレーキが実現できた。しかし、ホイールの回転位置により圧接力が変化するため、ブレーキトルクの回転ムラが生じていた。数μmの微小変位を取り扱うため、部品の製作精度および組み立て精度が本試作・実験では不十分であったためと思われる。また、ピエゾドライバーの定格電流を超えたため電流が抑制され、応答速度がやや遅くなったと考えられる。 今後、製作精度の向上とより高速なドライバーの検討を行い、性能を改善する必要がある。
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