2003 Fiscal Year Annual Research Report
自在凝固流体(FFF)の提案とその基本性能の実験調査および免震・防振技術への応用
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15760156
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
佐々木 卓実 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (80343432)
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Keywords | MR流体 / 免震 / 振動制御 |
Research Abstract |
地震国である我国においては建築物や産業設備、精密機器などに対しては地震対策を行うことが必須である。これまでの免震・制振装置の研究・開発により、高層ビルや超精密機器に対してはある程度の対策がとられるようになってきたが、装置が高価で大型化するという理由から、一般的な低層建築物や精密機器に対策がなされる例は希というのが現状のようである。 このような背景のもと、我々の研究グループでは、小さな震度では安定した保持力により構造を維持し、設備や構造物にダメージを与えるような力が加わる震度では、地面と基礎の間に相対変位を生じさせて、地震による力の伝達を構造物基礎部において遮断する、いわゆるヒューズ構造を利用する免震装置の開発を行っている。そこでまず、任意のヒューズ特性を引き出すことのできる材料としては、従来の磁性流体の欠点を補った新しい機能性流体FFFの開発を行っている。また、FFFを利用した免振装置の開発を行っている。 FFFは、従来のMR流体に新たにナノメートルオーダの直径を持つ超微粒子粉体、および100〜1000ミクロンの直径を持つスペーサ粒子を混入した新しい機能性流体である。このFFFと永久磁石の安定した磁界、および電磁コイルを組み合わせ、構造が簡単で有効な免震システムの開発・研究を行っている。 現在は、FFFのもつ基本特性(磁場と粘性との相関関係、耐沈降性、摩耗・潤滑特性)の試験、および小型免震装置モデルによる性能試験などを鋭意遂行中である。 FFFの今後の展開としては、免震装置の他に安全弁やトルクリミッタ、また振動を利用した推進装置などへの応用も考えていきたい。
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[Publications] Sasaki, T., Kondou, T., Ayabe, T.: "Vibration analysis of a large-scale nonlinear system (Investigation of validity of the analysis by a reduction model)"Proc.of the 10th Asia-Pacific Vibration Conference. Vol.2. 616 (2003)
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[Publications] 佐々木卓実, 近藤孝広, 綾部隆: "大規模非線形系の振動解析と安定判別(低次元化モデルを利用した解析の妥当性の検証)"Dynamics and Design Conference 2003. CD-ROM. (2003)
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[Publications] 川下倫平, 田代裕明, 近藤孝広, 佐々木卓実, 宗和伸行: "大規模非対称回転軸系の安定判別に関する研究(低次元化モデルの合理的な構成法)"Dynamics and Design Conference 2003. CD-ROM. (2003)