2003 Fiscal Year Annual Research Report
カオス時系列解析を用いた柔軟構造物のモデリング手法の開発に関する研究
Project/Area Number |
15760159
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
増本 憲泰 日本工業大学, 工学部, 講師 (80312081)
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Keywords | カオス時系列解析 / 柔軟構造 / モデリング / 非線形振動 / マルチボディ |
Research Abstract |
本研究では人体の臓器の振動特性を把握するための基礎的な技術の開発を目的としている.対象とする構造は,最終的には臓器の近似モデルとしてのマルチボディ構造である.本研究では,上記の最終モデルを取り扱う前にいくつかの段階的なモデルを定義し,それぞれのモデリング手法の開発を行っていく.ただし,すべてのモデルについて減衰特性および剛性特性には非線形性を仮定し,それらの非線形特性については実験結果に基づいて設定する. 最も単純なモデルは離散的質量が直列につながった糸状のマルチボディ構造であり,これをモデル1と呼ぶ.次に,モデル1を2個平行に並べて両者をつないだ梯子状のマルチボディ構造を考え,これをモデル2とする.2003年度は,モデル1とその組み合わせ構造のモデル2を対象に,それらの振動特性測定手法の開発を行った.モデル1およびモデル2はスチロール樹脂製の棒状部材とゴム製の球を用いて構築した.それらのモデルに対していくつかの加振条件のもとで振動試験を行い,球の中心の状態量を測定した.アクチュエータとしての加振装置一式は2003年度に新たに購入した.球の中心の状態量計測はスチロール樹脂の柔軟性のため大変位を伴い,計測にはこれも2003年度に新たに購入した超高速デジタル画像センサを用いて行った.状態量は時系列として得られ,測定時のサンプリング周期は申請者が以前に開発した手法を用いて算出した. 大変位を伴う振動現象を対象とする場合,非線形性が原因で線形振動の知見からは予測できない現象が起こる.本研究で対象としているモデルからも複雑な挙動が観測されることがあったが,モデル1およびモデル2に関して,加振条件の違い,構造の違いによる振動特性の差異を計測することが可能な振動特性測定手法を開発した.
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