2003 Fiscal Year Annual Research Report
環境モデルを要しない新しい力予測呈示に基づく汎用ネットワーク遠隔作業支援システム
Project/Area Number |
15760169
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
伊藤 友孝 静岡大学, 工学部, 助手 (00283341)
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Keywords | ロボット / 遠隔操作 / 通信遅れ / ネットワーク / 予測ディスプレイ / 予測呈示 / 画像遅延 / 操作性 |
Research Abstract |
遠隔診療や遠隔体験等,ネットワーク経由で送られた映像を見ながらロボットを遠隔操作するシステムでは,操作情報と画像の遅延による操作性・作業性の劣化が実用化の大きな障害となる.本研究では,この問題に対処するため,作業環境モデルを要しない新しい予測呈示の手法を確立し,広く応用できる汎用的な実画像ネットワーク遠隔作業システムを構築することを目的とし,本年度は,まず一般の多自由度ロボット系にも汎用的に適用可能な新しい予測呈示手法の実現に関する検討を行い,制御系と情報呈示法の工夫によってオペレータの操作履歴に運動と力の情報の両方が含まれる形にすることでそれを可能にした.その上で,卓上型汎用入力デバイスを設計・製作し,研究室現有の汎用マニピュレータと組み合わせて多自由度実画像遠隔操作検証システムを構築し,実用化の課題として今年度は効果的な情報呈示法とカメラ配置の問題について検討した.結果,特に多自由度系では,作業にあわせてカメラ配置を工夫し作業状況の認識性を高める必要があること,俯瞰視点の映像だけでは環境とロボットの相対的な運動がつかみ難い場合があること,特に奥行きに関する情報が認識し難いこと等の知見が得られた.これを踏まえ,作業に応じて雲台付カメラを自由かつ容易に設置できその映像に重ねて効果的な情報量示が行えるようカメラ座標系の簡易キャリブレーション法を開発した.また,手先カメラ等,ロボットと共に運動する移動カメラシステムでの予測呈示も行えるよう手法を拡張した.そして,今後の改良の指針とするため情報呈示の仕方による三次元情報の認識率の違いに関する検討も行った.更に,次年度の研究計画である通信部の検討の準備としてインターネット環境で実験を行える基本システムも構成した.本研究に関して国内発表(査統無1件,査読有1件),国際発表(査読有1件)を行うことができ,所望の成果が得られた.
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