Research Abstract |
本研究の目的は,小型自律型移動ロボットの階段昇降技術を開発することである.本研究では,具体的に,幅138(cm),高さ16(cm),奥行き30(cm),そして段数5(段)の階段を自律移動ロボットに昇らせることを研究タスクとし,実機実験に基づき本技術の開発を進めてきた.ここで,ロボットの大きさは長さ30(cm)の立法体程度とし,ロボットには前後部に上下動可能なリフト機構付きの車輪を装備し,底部にクローラを取り付ける.本期間内では,このような小型自律移動ロボットのハードウェアの開発を行った. 階段昇降機能を有する自律型移動ロボットのシステムを,コンピュータシステムと階段昇降機構により構成した.階段昇降システムとしてはDCモータを制御するドライブICと,階段昇降ソフトウェアにより構成した.階段昇降機構は,普通のほぼ平坦なところでの移動も可能とするための,クローラ部分と,階段昇降時に必要な駆動輪付きリフト部分と,その駆動輪から構築した.ロボットの主な移動は,ほぼ平坦な環境でも安定して走行できるように,ロボット本体下方に設置してあるクローラで行い,階段昇降はロボット本体の前後に搭載してある駆動輪付きリフトで行うことにした.また,階段の有無や,上りか下りかの判断は,駆動輪の前方と下方に向けて搭載された距離センサで感知しコンピュータシステムで処理を行うことにした。 ロボットを制御するためのコンピュータシステムとして,マイコンボードAKI-H8/3067Fを使用した.AKI-H8/3067Fは、システム構成に必要な周辺機能として,ROM,RAM,16ビットタイマ,8ビットタイマ,TPC,WDT,SCI,A/D変換器,D/A変換器,I/Oポート,DMACを内蔵しているため,高性能かつ小型のコンピュータシステムを実現することができた.
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