2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760214
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
サドウスキー J・T 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40333885)
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Keywords | GaAsN / GaAsNBi / MBE / STM / RHEED / 薄膜 / フォトルミネッセンス / 太陽電池 |
Research Abstract |
4元系半導体GaAsNBiの成長実験を超高真空分子線エピタキシー(MBE)-走査トンネル顕微鏡(STM)システムを用いて行った。SiドープされたGaAs(001)ウェハーを堆積基板として用いた。基板の表面を改善するために200nmの厚みのGaAsバッファ層を600℃の温度で堆積した。その上に800nmの膜厚のGaAsNBiを堆積した。薄膜の結晶性を良くするために、基板温度(370〜630℃)、窒素プラズマ入力(250-500W)、As/Gaフラックス比(1〜30)、Biのフラックスなどの堆積条件を系統的に変化させて堆積条件の最適化を行った。成長表面の様子は高速電子線回折(RHEED)でその場観察し、堆積膜は真空チャンバーから取り出した後に温度可変フォトルミネッセンス(PL)により光特性を、非接触原子間力顕微鏡(nc-AFM)により表面形態を評価した。いくつかの試料については、超高真空STMによりナノスケールの表面構造分析を行った。 本研究の結果、Biが膜への窒素導入を促進すること、GaAsNBi膜の結晶性が基板温度に強く依存することが明らかとなった。高基板温度(550〜630℃)条件では、Biはサーファクタントとして働き、表面の平坦さとPL効率を大幅に改善するが、その基板温度の高さのために窒素の含有率は1%以下にとどまった。Biに起因するマイクロファセッティングもAFMにより観察された。中基板温度(420〜550℃)条件では、Biにより窒素の膜への導入が促進されるが、表面形態、PL効率は劣化した。低基板温度(370〜420℃)条件では、Biの添加が表面形態と光特性に強く影響した。N/Bi比を制御することで格子定数をGaAsに一致するようにした結果、結晶性、光特性の非常に優れた窒素含有率の異なるGaAsNBi膜を成長することに成功した。
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Research Products
(2 results)