2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760222
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
矢野 裕司 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (40335485)
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Keywords | シリコンカーバイド / MOS構造 / (11-20)面 / 界面準位 / 界面遷移層 |
Research Abstract |
本研究では、系統的なSiCのMOS構造電子物性の基礎の構築と、高品質なSiCのMOS界面の形成を目指している。本年度は(0001)面と新結晶面である(11-20)面に作製した酸化膜/4H-SiC界面構造の解析を行い、それらと界面電子物性との相関について検討した。また、プラズマ励起した窒素を活用して高品質MOS界面の形成を試みた。 1100℃のドライまたはウェット酸化により熱酸化膜を形成し、X線光電子分光法(XPS)により界面構造を解析した。(11-20)面について界面近傍をXPSにより評価したところ、ドライ酸化の方がウェット酸化よりもCを含む界面遷移層(サブオキサイド)が多く検出された。また、(11-20)面と(0001)面にウェット酸化を行った試料で比較すると、(0001)面の方が界面遷移層は多く検出された。 MOSキャパシタを作製し、容量-電圧特性から界面電子物性を評価したところ、面方位・酸化方法による界面特性の違いが見られた。(11-20)面ではドライ酸化よりウェット酸化の方がすべてのエネルギー範囲で界面準位密度は小さく、またウェット酸化の(11-20)面と(0001)面を比較すると、浅いエネルギーで(11-20)面の方が界面準位密度は小さい。XPSによる界面遷移層の評価と合わせて考えると、Cを含んだ界面遷移層は浅い界面準位に大きな影響を与えている知見を得た。 (0001)面上において熱酸化膜形成後にプラズマ励起した窒素(窒素ラジカル)を照射することで界面特性の改善を試みた。4nmの極薄酸化膜をラジカル窒化し、その後80nmの堆積膜を形成した2層構造のゲート酸化膜を作製したところ、ラジカル窒化しない場合に比べてチャネル移動度が11cm^2/Vsから31cm^2/Vsと大きな改善を達成した。
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Research Products
(1 results)