2004 Fiscal Year Annual Research Report
新しいGaNAsSe半導体混晶による波長1.5μm帯広帯域光通信用光源の開発
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15760232
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
植杉 克弘 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (70261352)
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Keywords | 光通信 / 量子ドット / 歪補償 / III-V-N窒化物半導体 / GaAs / InAs / GaAsN / MOMBE |
Research Abstract |
次世代の高速大容量光通信において,光ファイバが低損失になる波長1.3〜1.55μm帯で高温動作特性の良い光ファイバ通信用光源の開発が重要である。本研究では,従来のInP基板を用いたデバイスに比べて大きなバンド不連続を形成できるGaAs基板上のIII-V-N窒化物半導体の研究を進め,GaNAsSe/GaA系超格子構造において1.3〜1.6μm波長帯域で発光できることを示した。格子歪を補償した構造の検討を進め,室温でも20%の高い量子発光効率を持ったヘテロ構造が作製できた。さらに,大きなバンド不連続を持つGaNAsSe/GaAs超格子およびGaNAsSb/GaAs超格子において,室温でも大きな負性抵抗特性を持つダイオードが実現できることを示した。 また,より低次元構造の半導体量子ドットへの検討を進めた。S-K成長モードによる自己形成InAs/GaAs系量子ドットでは,量子ドット内部に生じる歪や,Ga原子の拡散などの影響により1.5μm帯発光へと長波長化することが難しい。InAs/GaAsヘテロ界面の制御を行い,c(4x4)-GaAs表面上に作製したInAs量子ドットは(2x4)表面上に比べて約90meVの発光波長の長波長化が観察され,量子ドットへの基板表面からのGa拡散を抑えることができた。量子ドットのサイズ制御により,InAsオープンドットにおいて室温で1.62μmまで長波長化できることを確認しており,これまでに進めてきたGaNAs系混晶と組み合わせて歪補償することにより,高性能な1.5μm帯発光デバイスが実現できる可能性がある。
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Research Products
(2 results)