2004 Fiscal Year Annual Research Report
光空間処理型光単側波帯変調器とその伝送品質に関する研究
Project/Area Number |
15760253
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高野 勝美 山形大学, 工学部, 助手 (60302303)
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Keywords | 光通信 / 波長多重 / 単側波帯変調 / 光フィルタ / 光空間処理 / 光信号処理 / アレイ導波路格子 |
Research Abstract |
現在の光ファイバ通信での伝送容量を向上する方法の1つとして,光周波数利用効率の向上が検討されている。光周波数利用効率の高い変調方式として,光単側波帯(光SSB)変調方式が有効な技術である。光SSB変調を実現するには,片側側波帯のみを除去できる急峻な光フィルタが必要であり,干渉型フィルタから脱却した技術が必要である。アレイ導波路格子(AWG)は容易に大きな回折次数(数100)を実現できるため,入力時間波形を空間波形に変化させるとともにその空間スペクトルに分解できると期待できる。このため空間的スペクトル処理を施すことによって,光SSB変調を実現できると考えられる。本研究の目的は,その変調器構成とその特性についての検討を行うことである。本年度は以下の2点について検討を行い,それぞれ以下のような結果が得られた。 (1)空間振幅フィルタを用いた空間光信号処理による光SSB変調方式の検討:前年度に検討した空間振幅フィルタを用いた空間光信号処理による光SSB変調方式の検討を継続した。動作原理の性能を保ちつつ,光平面回路寸法をウェハーサイズ程度に小型化することが課題である。空間展開する光符号数を制限するアイディアで,そのときの側波帯抑圧特性を調査した。その結果,小型化された光平面回路でも最適化によって十分な性能が実現できることが分かった。 (2)光ファイバ分散・非線形による波形劣化の検討:送信光強度が大きくなると,光ファイバの屈折率非線形によって波形劣化が生じる。この波形劣化はファイバ分散効果と結合して複雑な波形劣化を引き起こすものと予想される。そこで,光単側波帯変調における側波帯抑圧特性と,光ファイバ伝搬後の受信波形特性の関係を検討した。原理に忠実な光SSB変調では,従来の強度変調方式よりも波形劣化が顕著であるが,現実的な光SSB変調回路ではその劣化は,大きく緩和できることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)