2003 Fiscal Year Annual Research Report
DPSK/OFDMシステムにおけるビット誤り率の簡易計算法
Project/Area Number |
15760260
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
笹森 文仁 信州大学, 工学部, 助手 (70298090)
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Keywords | DPSK / OFDM / フェージング / ビット誤り率 / 理論解析 |
Research Abstract |
OFDMシステムにおけるビット誤り率特性は,多数の干渉成分が複雑に絡み合って決定される.本年度は,ドップラー周波数や遅延スプレッド,ライスパラメータなどのフェージングパラメータに的を絞り,OFDMシステムのビット誤り率に関する理論検討を行った.以下にその手順と結果を示す. 1.OFDMシステムにおけるデータの送受信処理(変復調処理と伝送路処理)を忠実に再現する計算機シミュレーションプログラムを作成し,個々のパラメータを変化させたときに生じる信号電力の劣化量ならびに干渉電力量を統計処理により測定した. 2.1.の結果から,所望の信号に対する干渉のメカニズムを理論的に解明した.フェージングの時間相関値と周波数相関値を上記パラメータ値から一意に決定できることから,信号電力の劣化量と干渉電力量を数式で表現することに成功した. 3.定常状態(準静的な環境)におけるDPSK遅延検波方式の理論式に,2.で解明したメカニズムに従って導出した数式を組み込むことにより,所望のビット誤り率近似式を導出した. 4.1.〜3.をビット誤り率に関係する全てのフェージングパラメータに対して行い,複数のパラメータを変化させたときの総合的なビット誤り率特性を評価して,近似式の妥当性を検証した. 5.この数式を用いることによって任意の伝送路状態におけるビット誤り率を瞬時に計算することができることから,常に良好のビット誤り率が得られるように伝送路状態に応じて変復調方式を自動で切り替える「ソフトウエア無線」などへの応用が期待できる. 以上の結果をまとめて「IEEE Transactions on Communications」に論文投稿した.
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Research Products
(1 results)