2003 Fiscal Year Annual Research Report
次世代高速インターネット通信基盤を目指した光バースト交換方式に関する研究
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15760264
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
笠原 正治 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (20263139)
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Keywords | 光バースト交換 / バースト生成アルゴリズム / ラウンドロビン処理 / 待ち行列理論 / バースト棄却率 / バーストスループット / フォトニックネットワーキング |
Research Abstract |
光バースト交換(Optical Burst Switching:OBS)では、送信ノードはバーストの送信を行う前にコントロールパケットをWDM網に送信して目的ノードまでのパスを設定し、目的ノードまでの伝播遅延時間と経由ノードでの経路設定時間より算出されたオフセットタイム後にバーストを送信する。回線交換型通信のシグナリング手続きと異なり、コントロールパケットはバースト通過ノードに対して必要な波長資源を一方的に予約するのみで、ACK等による波長パスの完全な設定は行わない。したがってバースト通信時に予約が重なっているノードでは、バースト同士の衝突による棄却が発生する。そのためオフセットタイムの算出アルゴリズムが重要であるが、バーストの目的地や通過リンクの波長使用状況に依存するため、効果的な計算が極めて難しい。 ここで送信単位であるバーストの大きさに着目すると、エッジノードへのIPパケット到着率を一定と仮定したとき、大きいバーストは波長占有時間が長くなる反面オフセットタイムの算出回数が減少し、逆に小さいバーストは波長占有時間が短くなる一方でオフセットタイムの算出回数が増加するというトレードオフめ関係にある。すなわち網へのIPパケット到着率に応じて適切なバースト長が存在する。平成15年度ではこのようなバースト長の効果に着目し、低いバースト棄却率と高い波長利用率を同時に実現するような、エッジノードにおけるバースト生成方式を提案した。具体的には、バースト生成装置はエッジノードに到着したIPパケットを目的ノード別のバッファに格納し、バッファに蓄積されたIPパケット群をラウンドロビン処理で一つのバーストに変換し、送出スケジューラに渡す。送出スケジューラは目的地別のオフセットタイムをあらかじめテーブルとして保持し、送られてきたバーストのオフセットタイムを参照する。そしてバーストの目的地情報と波長利用状況から適切なアウトプット波長を選択し、バーストをオフセットタイム後に送出する。 提案手法に対して待ち行列理論によるモデル化と解析を行い、シミュレーションと合わせて性能評価を行った。その結果、理論モデルが提案方式のモデルとして十分妥当であることが示され、また提案方式の有効性を定量的に検証することができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tachibana, T., Kasahara, S.: "QoS Provisioning with Shared Wavelength Allocation for Limited-range Wavelength Conversion"Broadband Networks. (印刷中).
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[Publications] Tachibana, T., Kasahara, S.: "QoS-Guaranteed Wavelength Allocation for WDM Networks with Limited-Range Wavelength Conversion"IEICE Transactions on Communications. (印刷中).
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[Publications] Tachibana, T., Ajima, T., Kasahara, S.: "Round-Robin Burst Assembly and Constant Transmission Scheduling for Optical Burst Switching Networks"IEEE GLOBECOM 2003. 2772-2776 (2003)
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[Publications] 橘拓至, 笠原正治: "波長変換機能に制限のあるWDM網における共有波長割当方式の性能評価"電子情報通信学会技術研究報告. CS2003-55. 7-12 (2003)
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[Publications] 橘拓至, 笠原正治: "JITプロトコルにおけるQoS保証型バースト伝送スケジューリング"電子情報通信学会2003年ソサイエティ大会,講演論文集. B-6-76(CD-ROM). (2003)
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[Publications] Tachibana, T., Kasahara, S.: "QoS-Based Optical burst transmission for JIT Protocol"電子情報通信学会技術研究報告. NS2003-216. 37-40 (2003)