2004 Fiscal Year Annual Research Report
次世代高速インターネット通信基盤を目指した光バースト交換方式に関する研究
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15760264
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
笠原 正治 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (20263139)
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Keywords | 光バースト交換 / バースト棄却率 / サービス差別化 / クラスタ型転送 / フォトニックネットワーキング / JITプロトコル / シグナリングプロトコル |
Research Abstract |
光バースト交換(Optical Burst Switching : OBS)では、送信ノードはバーストの送信を行う前にコントロールパケットをWDM網に送信して目的ノードまでのパスを設定し、目的ノードまでの伝播遅延時間と経由ノードでの経路設定時間より算出されたオフセットタイム後にバーストを送信する。回線交換型通信のシグナリング手続きと異なり、コントロールパケットはバースト通過ノードに対して必要な波長資源を一方的に予約するのみで、ACK等による波長パスの完全な設定は行わない。したがってバースト通信時に予約が重なっているノードでは、バースト同士の衝突による棄却が発生する。そのためオフセットタイムの算出アルゴリズムが重要であるが、バーストの目的地や通過リンクの波長使用状況に依存するため、効果的な計算が極めて難しい。 このようなOBS方式に対し、平成16年度ではバースト棄却率に関してサービス差別化を提供できるシグナリングプロトコルについて研究を行った。OBS網で用いられる信号プロトコルとしてJust-In-Time (JIT)プロトコルとJust-Enough-Time (JET)プロトコルがある。JITプロトコルは,JETプロトコルと比べて波長使用効率は低くなるが,波長予約に必要なメモリ量が少ないことから,Jump Startプロジェクトなどで利用されている。しかしながら,JITプロトコルでバースト棄却率に対するQoS保証を実現するためには,中間ノードでpreemptive処理などの複雑な制御を行う必要がある。ここではJITプロトコルにおいてQoS保証を実現するバースト伝送スケジューリングとして、低優先バーストから高優先バーストまでを一つのクラスタを構成し、クラスタ単位でバースト送信を実現する手法を検討した。シミュレーション実験より、低優先バーストの棄却率と高優先バーストの棄却率を差別化することに提案手法は効果的である反面、各クラスのトラヒック量に依存して棄却率が変動するという性質が判明した。
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Research Products
(6 results)