2003 Fiscal Year Annual Research Report
Antelligent System-非線形動力学に基づいた群知能システムの開発
Project/Area Number |
15760291
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
菅原 研 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手 (50313424)
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Keywords | 群知能 / 分業 / ロボットシステム / 相互作用 / V-DEAR |
Research Abstract |
社会性昆虫の世界では、各個体は比較的単純な振る舞いを見せるが、コロニーをうまく機能させるために、集団として分業を行い、かつ各作業に従事する個体数比の比率制御を巧みに行っていることが知られている。本研究では自律的に分業を行うマルチロボットシステムの開発に向けて、環境に適応しながら動的に比率制御を行うことが可能なモデルについて考察してきた。 <研究結果1:モデルの構築> ミツバチのコロニーを手本とし、齢差分業(主に携わる作業内容が年齢に依存する)も表現しうるモデルを考案した。このモデルは(1)各作業に応じたストック物質の導入、(2)内部状態を動的なポテンシャル場の形で表現、(3)ストック物質の濃度に依存したポテンシャル場の変形、という特性からなっている。ここでは作業数と目標とする個体比率は、それぞれポテンシャル場の谷の数と、谷の深さで表現される。本年度はシミュレーションを通して本モデルの有効性を検証した。 <研究結果2:ロボット実験による検証> 実際のシステム開発を視野に入れ、ロボット間の相互作用を様々な形で表現できる実験空間の開発をおこなった。ロボット実験用動的仮想空間V-DEAR(Virtual Dynamic Environment for Autonomous Robots)はCCDカメラと液晶プロジェクタから構成され、カメラでフィールド内のロボットをトラッキングしながら、その位置に合わせてCGのフェロモンを投影するシステムである。ロボットは自身が有する光センサーを用いて"場の濃度"を検出し、その行動を決定するシステムになっている。このシステムのベースは光による場を介したロボット間相互作用システムであるが、CGゆえに拡散速度や揮発性、風向きなどのシミュレートもできるという特徴を有する。本システムを用いて、上記モデルに基づいた分業の定性実験をおこなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Fujibayashi, S.Murata, K.Sugawara, M.Yamamura: "Self-Organizing Formation Algorithm for Active Elements"FORMA. Vol.18 No.2. 83-95 (2003)
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[Publications] K.Sugawara, M.Sano, T.Watanabe: "A Study on a Foraging Behavior of Interacting Simple Robots"Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics. Vol.7 No.2. 108-114 (2003)
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[Publications] K.Sugawara, T.Watanabe: "A Study on Biologically Inspired Flocking Robots"Proc.of the 2003 IEEE Int.Conf.on Robotics, Intelligent Systems and Signal Processing. 324-330 (2003)
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[Publications] 菅原研, 風間俊哉, 渡辺俊典: "簡素な相互作用を有する群ロボットの分業に関する一考察"平成15年度電気学会産業応用部門大会講演論文集. (CD-ROM). 2-S12-5 (2003)
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[Publications] 風間俊哉, 菅原研, 渡辺俊典: "仮想フェロモンを用いた群ロボットの探索収集行動"第16回自律分散システム・シンポジウム資料. 195-198 (2004)