2003 Fiscal Year Annual Research Report
超音波スペクトロスコピーシステムによる異方性固体の音速、減衰の精密計測
Project/Area Number |
15760294
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
荒川 元孝 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00333865)
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Keywords | 異方性固体 / 音速 / 減衰 / 回折 / 精密計測 / 超音波スペクトロスコピーシステム / 厚さ / 歪み |
Research Abstract |
本研究は異方性固体の音速、減衰を高精度に計測することを目的とし、異方性固体の音速・減衰測定における回折の影響、および厚さ測定における歪みの影響を理論的・実験的に検討する。有効数字6桁の音速を得ることを目標とする。 平成15年度の研究成果を要約すると以下の通りである。 1.回折の影響について検討するために、パラメータ(動作中心周波数、トランスジューサ半径、ロッド長)の異なる複数の平面超音波デバイスを作製した。 2.測定試料として、リファレンスとして用いる等方性固体の合成石英ガラス試料、および異方性固体のX-cut,Y-cut,Z-cut水晶試料を作製した。 3.2項で作製した試料に対して、1項で作製した超音波デバイスを用いて安定な温度環境下で縦波音速の測定を行った。測定は、超音波トランスデューサ、合成石英ガラス、水カプラ、試料からなる複合音響伝送線路において行った。 4.回折による位相進みの測定値と計算値を比較することにより、超音波トランスデューサの実効径を評価する方法を開発した。この方法により求めた実効径を用いて回折の影響を補正した結果、合成石英ガラスに対して、広い周波数範囲において音速を高精度に求めることができた。本手法は、等方性固体および異方性固体の音速、減衰の周波数特性を高精度に求める上で不可欠である。 5.異方性固体中を伝搬する際の回折の影響を計算するための近軸理論に基づくプログラムを作成した。合成石英ガラスに対して実験と同じ条件において回折による振幅・位相変化の数値計算を行い、Williamsの厳密式を用いた数値計算法による値と比較した。近軸理論により回折の影響を計算、補正した音速は、Williamsの厳密式を用いたものと比較してばらつきは大きいものの、絶対値は一致した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Arakawa, J.Kushibiki, N.Aoki: "An evaluation of effective radiuses of bulk-wave ultrasonic transducers as circular pistion sources for accurate velocity measurements"IEEE Trans.Ultrason., Ferroelect., Freq.Contr.. (in press). (2004)
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[Publications] J.Kushibiki, R.Okabe, M.Arakawa: "Precise measurements of bulk-wave ultrasonic velocity dispersion and attenuation in solid materials in the VHF range"J.Acoust.Soc.Am.. 113・6. 3171-3178 (2004)