2004 Fiscal Year Annual Research Report
電磁誘導加熱を用いた熱処理による金属疲労回復システムに関する研究
Project/Area Number |
15760301
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
槌田 雄二 大分大学, 工学部, 助手 (80284785)
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Keywords | ひずみ / 漏洩磁束 / オーステナイト系ステンレス鋼 / 金属疲労 / 高感度磁気センサ / マルテンサイト変態 |
Research Abstract |
ステンレス鋼SUS304に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼は、家庭用品から原子力製品まで幅広く使われている。オーステナイト系ステンレス鋼は、室温ではオーステナイト単相であり、非磁性であるが、応力を受けることによってマルテンサイト相へと相変態する。マルテンサイト相は、磁性をもつので、磁気的なセンサを用いることによって、その変態量を定量的に検出することが可能である。つまり、オーステナイト系ステンレス鋼材の疲労状態を、磁気的なセンサによって定量的に評価することが可能である。このように磁気的なセンサにより疲労状態を評価したオーステナイト系ステンレス鋼材に対して、更に電磁誘導加熱を用いて熱処理を施し、その疲労状態を緩和あるいは回復する手法を確立しようとするのが本研究の概要である。昨年度および本年度は、4種類のオーステナイト系ステンレス鋼SUS304,SUS304L, SUS316,SUS316Lに対して、ひずみ変形と磁気信号との相関、および変形がない状態での疲労応力印荷回数と磁気信号の相関を明らかにしてきた。原子力発電所など劣悪環境下において用いられる耐腐食性の高いSUS316Lおいても磁気的な信号を用いて疲労状態をモニタリング出来る可能性を得ることができた。特に、本年度は、変形が生じない疲労試験において、1000万回以上の疲労回数を与えても破断しない疲労限以下の印荷応力においても、磁気信号と疲労回数との間に相関があることを明らかにした。これは機械強度学上では一般的に知られていることであるが、実際の試験片において、非破壊で測定された信号によって、その度合いが測定できるようになったことは、実用面で大変有用であると考えられる。本年度までの結果を踏まえて、次年度以降の金属疲労回復システムの構築に取り組んで行く。
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Research Products
(6 results)