2003 Fiscal Year Annual Research Report
湿度検出機能を有する柔らかい皮膚感覚センサ素子の製作と物体認識への応用
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15760307
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Research Institution | Yatsushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
湯治 準一郎 八代工業高等専門学校, 情報電子工学科, 助手 (80332104)
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Keywords | 触覚センサ / 静電容量型センサ / 湿度センシング / 皮膚感覚 / 圧覚 / 温冷覚 / 多機能センシング |
Research Abstract |
これまで物体の性質を識別するために,物体の誘電率の違いを静電容量変化で識別する薄膜電極対構造の接触センサが提案されている.センサ構造がシンプルかつ薄型であることから,他センサとの組み合わせや微細化に有用である.本研究では,この薄膜電極対構造の静電容量型センサに温・湿度のセンシング機能を付加させ,環境変化に対応しながら,接触した物体の性質,接触状態,接触圧等をセンシングする柔らかい皮膚感覚センサ(多機能触覚センサ)の開発を目指している. 初年度である平成15年度は,温・湿度検出機能を有する静電容量型センサの基礎特性実験を行った.一般的な静電容量式の湿度センサは,高分子やセラミックスといった感湿材料に,くし型の微小電極を張り合わせた構造であるが,本研究では,柔らかい皮膚感覚センサを構成するために,感湿材料を用いない薄膜状電極対構造のままで目的の両機能が実現可能であるかどうかを実験的に調べた. まず,一対の電極から得られる静電容量値により温度と湿度のセンシングを実現させるためのアイデアとして,測定周波数を変化させて温度と湿度の変化に対する複数の静電容量値を取得し,それそれの変化の違いを利用して,温度と湿度の情報を分離して取り出す方法を検討した.作成した試作センサの基礎特性を設備備品費で購入した小型環境試験器を用いて取得した実験結果より,測定周波数によって環境の温度および湿度に対する静電容量値の依存度が異なっていることが明らかとなった.これによって,異なる周波数を選んで二つの静電容量を取得することで温度と湿度のセンシングが可能となることが示された.現在は,更に分解能を向上させる方法,並びに最適な温度と湿度の認識方法の検討を行っている.これらの結果は8月に開催させるSICE ANNUAL CONFERENCE 2004で発表予定である.
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Research Products
(1 results)