2003 Fiscal Year Annual Research Report
テラヘルツ波パラメトリック発振器を用いた非破壊検査応用
Project/Area Number |
15760309
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
南出 泰亜 独立行政法人理化学研究所, 光発生・計測研究チーム, フロンティア研究員 (10322687)
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Keywords | テラヘルツ波 / パラメトリック発振器 / 非線形結晶 / リング型共振器 / 小型テラヘルツ光源 / ランダムアクセス / 分光 / イメージング |
Research Abstract |
本研究では,非線形光学結晶による光波長変換を応用したテラヘルツ波パラメトリック発振器の広帯域周波数可変性を活かした非破壊検査用テラヘルツ波イメージングシステムの構築を目指す.今年度は,小型テラヘルツ波光源として高繰返し励起光源を用いた高速周波数可変リング型テラヘルツ波パラメトリック発振器を開発した.計測時間を短縮するために,励起光源に繰返し周波数200HzのQスイッチNd : YAGレーザを導入した.本テラヘルツパラメトリック発振器では,周波数同調は,3枚の鏡で構成されるリング型共振器において,1枚の鏡を回転させアイドラー光(波長〜1.07μm)の光軸を変化させて行う.本動作は,ガルバノ光学スキャナ上に鏡を配置して,スキャナを制御する手法で行った.これより,テラヘルツ波の周波数同調を励起光源のパルス繰返し周波数に応じて,ランダムに周波数を変化させることに成功した.周波数可変範囲は,0.8〜2.6THzと約2THzものダイナミックレンジを実現できた.また,最大出力としてピーク値で10mW(パルスエネルギー100pJ/pusle)の高出力が得られた.テラヘルツ波の発振線幅は,30GHz程度(約1cm^<-1>)と実測でき,常温では比較的スペクトル幅が広い生体関連分子を含む有機分子などの分光・差分イメージング計測をはじめ広く応用可能である.実際に,イメージングを行うにあたって,基本システムとなる分光システムを構築し,基礎情報を得るため分光計測を行った.サンプルには,生体関連分子としてポリエチレンに分散させた50wt%のグルコース(単糖)などを使用し,S/N良くスペクトルを得ることに成功した.本計測では,35〜75cm^<-1>の範囲を0.4秒/スキャンと高速に測定することができた.来年度では本光源による非破壊イメージング計測およびシステム評価を行う.
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[Publications] Yuuki Watanabe: "Spatial Pattern Separation of Chemicals and Frequency-Independent Components by Terahertz Spectroscopic Imaging"Applied Optics. 42・28. 5744-5748 (2003)
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[Publications] Yuuki Watanabe: "Component spatial pattern analysis of chemicals using terahertz spectroscopic imaging"Applied Physics Letters. 83・4. 800-802 (2003)