2003 Fiscal Year Annual Research Report
交通信号システムに対するモデリングと制御に関する研究
Project/Area Number |
15760323
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
若佐 裕治 山口大学, 工学部, 講師 (60263620)
|
Keywords | 交通信号システム / 制御理論 / 可制御性 / H∞制御 / ゲインスケジューリング制御 / モデル予測制御 |
Research Abstract |
制御理論に基づいた交通信号システムの設計法について検討を行った。まず、交通量収支に基づいて交通信号モデルを制御理論の適用可能な形で構築する方法を提案した。このとき制御理論の観点から、可制御性に注目して交通信号システムの構造について検討し可制御性が成立する場合の道路リンクの数と信号パターン数に関する条件を導出した。つぎに、このモデルに対して ・代表的なロバスト制御であるH∞制御、 ・システムのパラメータ変動に対応できるゲインスケジューリング制御、 ・さまざまな制御仕様や制約条件に対応できるモデル予測制御 の適用を行った。その結果、それぞれの制御手法の特長を生かした交通量のリアルタイム制御が実現できることを確認した。H∞制御は上記3手法の中で最も適用が簡単であるが、外乱(道路状況の変化、感知器による交通量測定誤差)を補償することが数値実験により確認された。ゲインスケジューリング制御の適用にあたっては、特別なシステム構造を利用したゲイン調整則を提案した。モデル予測制御は信号機の制約条件を満足させることが容易であり、この点においては他の手法より優れていると思われる。交通信号システムでは、通常サンプリング周期が比較的長いことから、上記3手法のいずれも適用可能であると考えられる。一方で、道路、信号機の情報が与えられたとき、この情報から制御対象を線形システムとして定式化することは容易な手続きではないことも明らかとなった。今後、このような手続きを支援するプログラムやツールの開発も必要であると考えられる。また、来年度以降の準備として交通シミュレータを購入し、その動作確認を行った。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Y.Wakasa, K.Iwaoka: "Traffic signal control based on a system with multipilicative noise"Proc.34th ISCIE International Symposium on Stochastic Systems Theory and Its Applications. 229-233 (2003)
-
[Publications] Y.Wakasa, K.Iwaoka, K.Tanaka: "Traffic signal control using an LMI-Based MPC method"Preprints of the 10th IFAC Symposium on Control in Transportation Systems. 59-64 (2003)
-
[Publications] Y.Wakasa, K.Iwaoka, K.Tanaka: "Modelling and robust control of traffic signal systems"Proc.European Control Conference 2003. (CD-ROM). (2003)
-
[Publications] Y.Wakasa, K.Iwaoka, K.Tanaka: "Robust traffic signal control for intelligent transportation systems"Proc.6th Japan-France Congress on Mechatronics. 190-195 (2003)