2003 Fiscal Year Annual Research Report
オートクレーブを用いたアルカリシリカ反応促進試験法の開発に関する研究
Project/Area Number |
15760334
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
黒田 保 鳥取大学, 工学部, 助手 (30263487)
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Keywords | アルカリシリカ反応 / 促進試験 / オートクレーブ / 反応性骨材 / モルタル / コンクリート / 膨張率 / アルカリ溶液 |
Research Abstract |
本研究は,骨材のアルカリ反応性や,使用する骨材がコンクリートにアルカリシリカ反応(ASR)による有害な膨張を生じさせるか否かを,極めて短期間で判定するためのASR促進試験法を開発することを目的に計画したものである。平成15年度には,アルカリ化合物を添加しないで作製したモルタル供試体をアルカリ溶液中に浸漬して,それをオートクレーブ処理する方法について検討を行った。すなわち,アルカリ溶液中に浸漬してオートクレーブ処理を行ったモルタル供試体のASR膨張に与える各種促進試験要因の影響について検討を行った。以下に,本年度に行った実験で得られた主な結果を示す。 1.供試体をそのままアルカリ溶液に浸漬して煮沸処理を行うよりも,アルカリ溶液に浸漬する前に供試体を乾燥処理することによって,供試体内部にアルカリ溶液が浸透しやすくなるため,オートクレーブ処理直後の膨張率は大きくなる。本促進試験では,アルカリ溶液に浸漬する前に,供試体を60℃で24時間乾燥処理することにした。 2.本実験で用いたアルカリ溶液(NaOH,NaCl,KOHおよびKCl溶液)のうち,NaOH溶液は他のアルカリ溶液に比較してASRを大きく促進した。 3.供試体を浸漬するNaOH溶液の濃度を高くすると,ASRが促進されてオートクレーブ処理直後に大きな膨張を生じるが,NaOH溶液濃度に関して供試体の膨張率を最大にするペシマム値が存在することが確認された。 4.処理圧力を高くしてオートクレーブ装置内の温度を高くすると,処理直後の供試体の膨張率は大きくなる。しかし,処理圧力(温度)に関して供試体の処理直後の膨張率を最大にするペシマム値が存在することが確認された。 また,モルタルおよびコンクリートのASR膨張に与える保存温度の影響の把握に関する実験については,現在,供試体を40,60,80℃の保存槽に保存し,測定を継続して行っているところである。
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Research Products
(2 results)