2003 Fiscal Year Annual Research Report
再生骨材など高吸水率骨材を用いたコンクリートの性状予測およびその改善に関する研究
Project/Area Number |
15760337
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
麓 隆行 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30315981)
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Keywords | コンクリート / リサイクル / 再生骨材 / スランプ / 強度 / 耐久性 |
Research Abstract |
今年度では,普通コンクリートの性状と骨材品質との関係を明らかにすることを目的とし,コンクリートのフレッシュ,強度および耐久性状について検討した.使用する再生骨材には,建築構造物の解体がらから製造またはプラントで作製された,実際に近い再生細・粗骨材を準備した. まず,再生骨材の物理的特性について検討した.細骨材の場合,普通骨材との品質の差が大きく,コンクリート性状への影響も大きい.そこで細骨材について,吸水率や粒径判定実積率などの他に,水銀圧入法による細骨材粒子内の空隙径分布やBET吸着法による比表面積の測定を行った.その結果,再生細骨材の特性として,吸水率,破砕値,比表面積および細骨材中の直径0.05-7μmの空隙率が挙げられることがわかった.また,再生細骨材は粒径により密度が異なるため,質量基準の粒度分布が同じでも,体積基準では径の小さい粒子ほど体積割合が多くなることかわかった. 次に,再生コンクリートの流動特性を把握することを目的とし,再生骨材を使用したプレーンなモルタルおよびコンクリートにおける単位水量と流動性との関係に及ぼす再生細骨材使用の影響を調べた。その結果,再生細骨材使用の場合には,体積基準での粒度が同じであれば普通細骨材と同じ流動性が得られることかわかった.すなわち,配合設計の際に骨材の粒径ごとの粒子密度を考慮する必要がある.また,モルタルフローとペースト膜厚,またスランプと余剰ペースト膜厚との相関が高いことがわかった. さらに,再生骨材だけでなく,軽量骨材も含めたコンクリートの強度性状について調べた.その結果,著者らの既往の研究のとおり,骨材の種類に関係なく,骨材の全吸水量を考慮したC/TWとの相関関係が強いことがわかった.
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