2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760368
|
Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
重松 宏明 石川工業高等専門学校, 助教授 (90353268)
|
Keywords | 黄鉄鉱 / 一軸圧縮試験 / コンシステンシー限界 / 水溶性成分試験 / 硫酸塩 / 強熱減量 / pH |
Research Abstract |
今年度の研究では,黄鉄鉱の酸化に伴う硫酸の生成が土の変形や強度,コンシステンシー限界などの土質特性にどのような影響を及ぼすのかを把握することに重きをおいた.還元状態に近い粘性土試料を採取し,湿潤状態(自然含水比状態)で段階的に酸性化させた後,これらの試料を用いて各種物理・化学試験,一軸圧縮試験,液性・塑性限界試験,および水溶性成分試験を実施した.また,硫酸のみが土質特性に及ぼす影響を把握するために,非活性で知られるカオリンに濃度を変えた硫酸を加え,同様の試験を実施した.これらの実験から,以下のような知見が得られた. (1)黄鉄鉱を含む粘性土の一軸圧縮強度は,酸性化が進行するとともに低下し,強酸性においては当初の2/3程度にまで低下する.この強度低下は,酸性化に伴うコンシステンシー限界の変化からも理解できる.変形特性については,pH4付近のところで変形係数と破壊ひずみの傾向が変わっている. (2)一軸圧縮試験に用いた供試体の間隙水中に含まれる各種水溶性成分を測定した結果,粘性土の酸性化によって土中の水溶性カルシウム・マグネシウム,および硫酸塩が増加した.特にpH4以下の硫酸塩の増加が著しい.この傾向は強熱減量試験の結果からも説明できる.このことから,pH4付近での変形係数と破壊ひずみの傾向の変化,およびpH4を下回ってからの硫酸塩の急激な増加より,酸性化する過程において,粘性土中の硫酸塩含有量が変形特性に多大な影響を及ぼしているものと考えられる. (3)硫酸を加えたカオリンのpHの変化に伴う土質特性の変化は,概ね北中条糟性土と一致する.しかし,硫酸を加えたカオリンは北中条粘性土と比較して酸性化に伴う一軸圧縮強度の低下が著しい.また,コンシステンシー限界についても同様のことがいえる.
|
Research Products
(5 results)