2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760400
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
星野 裕司 熊本大学, 工学部, 助手 (70315290)
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Keywords | 都市河川 / 人間活動 / 結びつき / 横断構造 / シークエンスの変化 / ケーススタディ |
Research Abstract |
本年度では、方法論の構築を行い、特徴的な都市河川に対して試行的な調査を行った。都市と河川の関係を大まかに把握するため、中心市街地の区域と河川の位置関係を、全国の主要都市に対して図面上で調査した。次に、先行研究の知見を整理しつつ、街区と街路、それぞれの河川との関係を検証した。まず街区においては、現地調査によって建物等まで含めた詳細な河川横断面図を作成した。これは、地形図等では現れない段差や沿岸建物の高さ等が体験者の印象に重要な役割を示すのではないかと考えたからである。この結果から、都市から河川にかけての横断構造を、「表層」型、「車道」型、「歩行者」型、「結節」型の4タイプに分類することができた。さらに、それらのタイプに応じて、デザインボキャブラリーを抽出した。一方、街路においては、地図等から河川と街路の配置のパターン(横断や平行、行き止まりなど)をチェックし、現地調査によって街路の歩行体験をシークエンシャル(継起的)に分析した。ここでは、シークエンスに対応した連続写真を開放度という指標から整理し、トレンドとゆらぎとして捉える歩行系列モデルを提案した。その結果、トレンドの変化要因を、移動方向と移動直角方向の相関関係によって整理し、一方、ゆらぎの変化のうち「急激な変化」は「突然景色と出会う体験」、「多様な変化」は「多様な景色が展開する体験」と関連していることを示した。最後に、本年度は以上の分析のみに止まらず、具体的なデザイン提案も行っている。治水的な面も考慮した白川の大甲橋〜明午橋間の河川緑地と明午橋の橋詰空間である。このケーススタディから、あまり広大な緑地をとれない都市河川のデザインにおいて、(a)対岸との関係の取り方、(b)街と川の境界部分、(c)川へのアクセス(視覚的なものも含む)を考慮することが重要になるが理解された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 青井克志, 星野祐司, 小林一郎: "都市河川へのアプローチを含めた横断時の歩行体験に関する予備的考察"土木計画学研究・論文集. No.20. 393-400 (2003)
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[Publications] 星野祐司, 小林一郎: "街との結びつきに配慮した都市河川デザイン"土木計画学研究・講演集. CD-ROM版. (2003)