2003 Fiscal Year Annual Research Report
都市構造物に関連するマテリアルフローの将来予測と持続可能性評価に関する研究
Project/Area Number |
15760409
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
谷川 寛樹 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (90304188)
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Keywords | 地域マテリアルフロー分析 / 建設廃棄物 / 地理情報システム / 将来推計 / 物質循環 / 再生資材 / 長寿命化技術評価 / 環境指標 |
Research Abstract |
平成15年度の研究では,建築物と道路を対象とし,GISデータの積み上げにより都市構造物のマテリアルストックを定量化し,その建設,維持,補修等に伴い発生するフローの経年変化を推測した.本研究で得られた知見を次にまとめる.(1)対象地区として北九州市について,GISデータでのボトムアップアプローチによる建築物,道路ストックの推計を行い,建築物5,724万t,道路1,712万tのストックがあることがわかった.(2)都市のマテリアルフローについて経年変化を予測し,2020年には物質投入量としては210万tのフローがあり,北九州市の社会資本ストックから都市構造物の解体,補修に伴い140万tの廃棄フローが考えられる.現在のリサイクル目標を満たすには80万tもの建設副産物の再生利用が課題となってくる.(3)将来,都市構造物の解体に伴う建設副産物のフローに加え,維持,補修に対しての膨大な物質投入が必要となり,それに伴う建設現場での土砂移動などストックに対するフローの割合が増加する. また,近年建築物の構造が,木造からS造,RC造へと移行しそれらのストックに占める割合が増加したことにより将来廃棄物の内訳も砂利石材が60%(1995年)から65%,鉄が8%(1995年)から12%へと割合が増加している.結果として,物質投入量に以前と比べ大きな差は見られないが,ストックからのフローが138万tに増加する.また,現在のリサイクル率をあてはまると,建築物の解体に伴い発生する83万tもの建設副産物の巨大な受け皿が必要となることが明らかとなった.
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[Publications] 谷川寛樹: "都市構造物起源のマテリアルバランスの将来"産業立地. 11-42. 12-17 (2003)
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[Publications] 谷川寛樹: "都市構造物の資源ストック量と廃棄物排出量についての分析"次世代システム研究所所報. 1. 27-37 (2003)
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[Publications] Hiroki Tanikawa, Seiji Hashimoto, Yuichi Moriguchi: "Estimation of Future Material Balance in Urban Civil Infrastructures and Buildings"International Society for Industrial Ecology, 2nd International Conference. 2. 86-87 (2003)
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[Publications] 須永篤子, 谷川寛樹, 橋本征二, 森口祐一: "都市構造物起源のマテリアルフローバランスの将来予測に関する研究"土木学会環境システム研究論文発表会講演集. 607-612 (2003)
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[Publications] 坂本辰徳, 谷川寛樹, 橋本征二, 森口祐一: "地域マテリアルフロー視覚化のためのOPM(Over-flow Potential Map)の構築"廃棄物学会研究発表会研究論文集. 14. 44-46 (2003)
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[Publications] 斉藤章恵, 谷川寛樹, 日下正基: "都市構造物に関する資材投入原単位の推計に関する研究"土木学会全国大会講演集. 58-7. 168-169 (2003)