2004 Fiscal Year Annual Research Report
ごみ溶融スラグの環境安全性評価試験としての簡易型拡散溶出試験法の開発
Project/Area Number |
15760411
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Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
肴倉 宏史 秋田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (70331973)
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Keywords | ごみ溶融スラグ / 環境安全性 / 拡散溶出試験 / 重金属 / 溶出フラックス |
Research Abstract |
ごみ溶融スラグは路盤材など粒状のまま利用される場合や、コンクリート骨材など材料として成型後に利用される場合が想定される。拡散溶出試験はこれらの利用状況に応じてスラグからの溶出成分の環境影響を評価できるが、試験に2ヶ月程度を要するという問題がある。そこで本研究では拡散溶出試験の試験期間の短縮を目標として、溶出挙動に影響を与える因子の検討を行った。試料はごみ溶融スラグを粒状のまま用いたものと、スラグをセメントと混合し作成したモルタルの2種類を用いた。 その結果、温度と攪拌の影響についてはスラグとモルタルで異なった。スラグの場合、拡散傾向を示した元素については攪拌有り・高温側で、また、拡散傾向を示さなかった元素は攪拌有り・低温側で溶出が促進された。モルタルの場合、攪拌による影響は小さく、恒温側で溶出が促進された。温度影響については、拡散傾向を示した元素について、有効拡散係数と絶対温度の逆数の関係から整理した。 次に、溶媒量と浸漬時間の影響を検討した結果、これらの条件を変更することにより、飽和溶解度の影響を受け溶出が制限されるかどうかについて確認できることがわかった。ただし、溶媒量を増やすと溶液濃度が低下するため、重金属などの微量成分の測定が困難となった。そこでキレートディスクを用いた重金属濃縮を検討中である。 以上の結果を踏まえると、試料を複数個用いて溶媒量と浸漬時間を適切に条件設定すれば、短期間での評価は十分可能であると予想され、その評価手法を提示することが課題である。合わせて、表面吸着や沈殿生成しやすい重金属類の合理的な評価方法を提示する必要がある。
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