2005 Fiscal Year Annual Research Report
多目的最適化手法を応用した建築物の構造設計に関する研究
Project/Area Number |
15760424
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
高田 豊文 三重大学, 工学部, 助教授 (90242932)
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Keywords | 最適構造設計 / トラス・トポロジー / 多目的最適化 / 線形計画法 / パレート最適解 / コンプライアンス |
Research Abstract |
本研究では,トラス構造物や剛接骨組構造物の弾性設計を,多目的最適設計問題として取り扱っている.これまでは,最適化手法としてStrength Pareto Evolutionary Algorithm(SPEA)を用いていた.今年度の研究では,部材総体積と構造全体のひずみエネルギー(コンプライアンス)を目的関数としたトラス・トポロジー最適化問題を対象とした.この問題では,最適性条件(Kuhn-Tucker条件)を利用すれば,体積とコンプライアンスとの関係式を理論的に導出することができる.これによって,パレート最適解における部材総体積とコンプライアンスとの関係が反比例となること,パレート最適となるトラスでは全部材の応力度の絶対値が等しくなること,パレート最適解の軸力は部材断面に依存しないことを明らかにした.また,部材総体積とコンプライアンスを目的関数とした多目的最適化問題が,それらの積の最小化問題と等価であることを示し,部材軸力を設計変数とした線形計画問題に帰着されることを明らかにした.したがって,本多目的設計問題に線形計画法(シンプレックス法)を適用することができ,効率的にパレート最適解を得ることができる.さらに,本手法によって得られたパレート境界を利用すれば,「体積制約下のコンプライアンス最小解」,および「コンプライアンス制約下の体積最小解」,「応力制約下の体積最小解」が容易に得られることも明らかにした.本手法を多くの設計例に適用し,設計対象の規模(節点数・部材数)と計算効率の関係や,最適トラス・トポロジーのロバスト性についても考察した.
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Research Products
(7 results)