2004 Fiscal Year Annual Research Report
戸建て住宅の長寿命化に向けたデザインスタイルの可変性に関する研究
Project/Area Number |
15760460
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柴田 建 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助手 (60325545)
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Keywords | 沖縄 / 戸建て住宅 / ファサード / 可変性 / 長寿命化 |
Research Abstract |
本研究では,戸建て住宅の長寿命化に向けて,デザインスタイルの可変性の実態と目指すべき方向性について考察することを目的としている。特に可変性のポテンシャルが高いと思われるハコ型住宅に注目し,居住者の働きかけによるボリューム構成及びファサードの変容プロセスを解明したうえで,デザインスタイルの可変性を組み込んだ長寿命住宅のモデルスタディを行う。平成15年度には,住宅商品史のなかでのハコ型住宅のデザインスタイルの変遷を把握したうえで,特に沖縄のRC住宅に着目し,公社等の開発側へのヒアリング,対象住宅地選定と予備調査を行った。これにより得られた知見をもとに,平成16年度には下記の作業を行った。 1.沖縄のRC戸建て住宅の増改築プロセスに関する実態調査:沖縄県浦添市において,高度成長期に開発されたRC造住宅からなる戸建て住宅地を対象に,住宅の増改築のプロセスについて実態調査を行った。当初建設されたRC造平屋建ての住宅は,いわゆる「ツノダシ住宅」として予め増築の準備がされており,大半の住宅が家族の成長・2世帯化に合わせて,あるいは店舗併用住宅等への転用のために大幅に手が加えられていた。こうした変化の中で,ファサードは,装飾的要素が付加されることは少なく,当初のシンプルな箱型のスタイルのまま,ハコ型のボリュームの凹凸により多様化・複雑化してきたことが明らかとなった。 2.近年の都市型戸建て住宅のデザイン傾向の把握:専門化向・一般向の書籍・雑誌より,都市型戸建て住宅の事例を収集した。近年,都市部に建つ小規模な戸建て住宅が注目されているが,狭小宅地であるがゆえに,屋根を含めた全体のイエ型ではなく,通りに面したファサード自体がデザインの焦点となってくる。そのデザイン時に用いられている素材や構成手法を収集し現在のモードを把握した。
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