2003 Fiscal Year Annual Research Report
超音速フリージェットCVD法によるSiC/Si多層量子構造の形成
Project/Area Number |
15760492
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
生駒 嘉史 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90315119)
|
Keywords | 超音速フリージェット / シリコンカーバイド / シリコン / 多層構造 / モノメチルシラン |
Research Abstract |
本年度は有機シランガスであるモノメチルシランを用い、シリコン基板上へのシリコンカーバイドおよびシリコン多層構造形成に関する研究を行った。はじめにモノメチルシランによるシリコン薄膜形成について検討した。超音速フリージェットCVD装置内にタングステンホットフィラメントを設置し、モノメチルシラン分子の分解・励起を試みた。X線光電子分光法による組成分析の結果、フィラメント温度1800℃にて水素希釈したモノメチルシランフリージェットを照射することにより、シリコン薄膜が形成可能であることがわかった。次にモノメチルシランフリージェット照射によりシリコン基板上へ膜厚約5nmのシリコンカーバイド薄膜をエピタキシャル成長させた後、ホットフィラメントを用いてモノメチルシランフリージェット照射を行った。透過型電子顕微鏡による断面観察結果より、基板温度400℃にて形成した場合にはアモルファスシリコン薄膜が形成されており、基板温度を600℃に上昇させた場合にはシリコン薄膜は多結晶となることがわかった。さらに多結晶シリコン薄膜上へフリージェットを照射した場合、基板温度850℃にて多結晶シリコンカーバイドの形成を確認した。以上の結果より、モノメチルシラン単一ソースガスによるシリコンカーバイド/シリコン多層構造の形成が可能であることがわかった。現在、ホットフィラメントを用いた場合のモノメチルシラン分子の分解過程について調査中である、またナノオーダーでのシリコンカーバイドおよびシリコンドット形成条件の最適化を行っている。
|
Research Products
(1 results)