2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規組成オキシフッ化物ナノ結晶化ガラスの創製と光学素子への応用
Project/Area Number |
15760506
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤原 忍 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (60276417)
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Keywords | 結晶化ガラス / フッ化物 / フォトルミネセンス / 希土類元素 / 有機-無機ハイブリッド / メソポーラス材料 / LED照明 / 蛍光体 |
Research Abstract |
第一に、発光ナノ結晶材料の調査として、YF_3、YOF、Y_2O_3、CeO_2系材料の合成と発光特性の評価を行った。第二に、厚さが約2μmの多孔質ゾル-ゲルシリカガラス薄膜中に希土類フッ化物ナノ結晶を分散させたナノ結晶化ガラスを開発した。これは、光学機能複合化の立場から、膜の気孔率や透明性を制御することで励起光の多重散乱を起こさせ、さらに人体に有害な励起光が外部に漏れるのを遮断するなど、新たな機能を有する発光ガラス膜を作製することを目的としたものである。実際に、出発原料溶液に高沸点有機化合物(ジメチルホルムアミド)を添加する、あるいはサブミクロンおよびナノサイズの高分子微粒子(ポリスチレンビーズ)を鋳型として添加する方法によってナノ結晶化シリカゲル薄膜を作製し、気孔サイズの揃った多孔性が得られることを確認した。作製した新規組成のSiO_2-Gd(O,F):Eu^<3+>系およびSiO_2-BaLiF_3:Eu^<2+>系ガラス薄膜は強い赤色および青色発光を示した。第三に、希土類イオンをドープしたシリカ/高分子ハイブリッド薄膜の開発を行った。このハイブリッド膜は強い白色発光を示すことが前年度の研究で明らかとなったが、今年度は膜の発光特性に及ぼすアルカリ土類金属イオンの添加効果について調査した。その結果、ゾル-ゲル法により作製されるこのハイブリッド膜は、250℃で熱処理した場合にのみ発光すること、有機高分子のC=O二重結合部位におけるHOMO-LUMO遷移が発光に関与していること、その部位に金属イオンを配位させると励起および発光波長のチューニングが可能となることなどを明らかにした。以上で得られた知見は、発光ガラス薄膜の簡便な作製方法と工業的応用に寄与するところが大きい。
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Research Products
(4 results)