2003 Fiscal Year Annual Research Report
非ニュートン流動を利用した方位制御バルク状ナノ構造金属ガラス複合材料の創製と性質
Project/Area Number |
15760513
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 秀実 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80323096)
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Keywords | バルク金属ガラス / 粘弾性挙動 / ストレスオーバーシュート / 摩擦発熱 / 応力誘起軟化現象 |
Research Abstract |
Zr_<55>Al_<10>Ni_5Cu_<30>バルクガラス合金試料を用いて、定クロスヘッドスピード変形中の応力-試料温度変化の関係を同時に測定した。初期測定温度=690K(=ガラス遷移温度+10K)、初期歪速度=1〜3×10^<-2>s^<-1>、試料寸法=3mm径×6mm高さであり、この円筒形試料をアルミナプレート(熱伝導率=20W/mk)で挟んで行った。測定は、大気圧のAr雰囲気中で行い、変形中試料温度の変化は、直径300μmのシース型熱伝対を接触させて調査した。また、試料温度を一定にしようとする抵抗加熱炉からの熱ノイズの影響を避けるために、まず、無変形の状態で一度抵抗加熱炉のスイッチをOffにして、温度降下曲線を記録し、その後、再び実験開始温度まで昇温した後、変形の開始と同時に抵抗加熱炉のスイッチをOffにして温度の関係を記録し、これから温度降下曲線を差し引くことによって、変形誘起による温度変化曲線を抽出した。 その結果は以下の項目にまとめられる。 (1)粘性率の低下と構造変化に費やされた熱量の増加が、ほぼ同時に生じる一方で、試料温度は応力誘起による非ニュートン粘性化(軟化)が生じた後に増加する。 (2)摩擦損失(加工発熱)による温度変化は5.2×10^<-2>(K mol/W)に従う(但し、試験治具の熱伝導率等に依存する)。 (3)非ニュートン粘性流動加工を積極的に制御することによって、ナノ結晶分散ガラス合金の作製、およびガラス材料/ガラス基複合材料の諸性質を制御ができると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Kato, A.Inoue, H.S.Chen: "Heating and Structural Disordering Effects of the Nonlinear Viscous Flow in a Zr_<55>Al_<10>Ni_5Cu_<30> Glassy Alloy"Applied Physics Letters. 84. 5401-5403 (2003)
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[Publications] A.Inoue, B.L.Shen, H.Koshiba, H.Kato, A.R.Yavari: "New Cobalt-based Bulk Glassy Alloy with Ultra-high Strength above 5000 MPa and Soft Magnetic Properties"Nature Mateirals. 2. 661-663 (2003)
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[Publications] J.Z.Jiang, J.Saida, H.Kato, T.Ohsuna, A.Inoue: "Is Cu_<60>Zr_<30>Ti_<10> a Bulk Glass Former?"Applied Physics Letters. 82. 4041-4043 (2003)
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[Publications] J.Z.Jiang, H.Kato, J.Saida, T.Ohsuna, A.Inoue: "Origin of No Detectable X-Ray Diffraction Peaks in Nanocomposite CuTiZr Alloys"Applied Physics Letters. 83. 3299-3302 (2003)