2003 Fiscal Year Annual Research Report
熱力学モデルおよびデータベース連携による新しい金属ガラス、ナノ結晶合金の開発
Project/Area Number |
15760515
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 章 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (40250815)
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Keywords | 計算機科学 / 非平衡材料 / 金属ガラス / ナノ結晶材料 / 相変態 / データベース / 熱力学 / 合金開発 |
Research Abstract |
平成15年度では研究計画に従い金属ガラスを研究対象とした理論的解析を行うとともに、実際に合金開発を行った。具体的には、ミーディマ法を多元合金系に応用することにより、典型的な金属ガラス生成合金系を含む種々の三元系合金のアモルファス相の生成組成範囲を算出した。また、自由体積理論に基づき金属ガラスのガラス遷移現象の解析を行い、金属ガラスの粘性を用いることにより、ガラス遷移温度、結晶化温度さらにはこれらの温度間隔で定義される過冷却液体域を算出することに成功した。また、同じく金属ガラスの粘性を用いた均一核生成-成長理論に基づき、典型的な金属ガラス生成系に対して、結晶化の時間-温度-変態曲線を算出し、各種金属ガラスの熱的安定性を解析した。さらに、アモルファスおよび金属ガラスに見られるランダム原子構造のキャビティー生成エンタルピーから結晶化温度を算出するミーディマ法を多元系合金に始めて適用し、得られた結果から、金属ガラスの形成能因子として知られる換算ガラス化温度に対応する換算結晶化温度を算出し、金属ガラスの熱的安定性の評価を行った。これらの解析結果をまとめることにより、金属ガラスの形成能を評価する際のパラメータとして知られている臨界冷却速度、換算ガラス化温度および過冷却液体域の関係を理論的・計算科学的観点からまとめ、実験結果との比較、検討を始めて可能とした。さらに、実際の合金開発では、計算機科学の観点から、新規非平衡材料の候補をピックアップし、電着法により合金を作成し、アモルファス合金の作製に成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 竹内 章, 井上 明久: "金属ガラスおよびアモルファス合金の形成能の熱力学的評価"まてりあ. 42・5. 413-421 (2003)
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[Publications] A.Takeuchi, A.Inoue: "Computer-Aided Development of Multicomponent Metallic Glasses"Materials Research Society Symposium Proceedings. 754. 35-46 (2003)
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[Publications] J.Ahmad, K.Asami, A.Takeuchi, A.Inoue: "Effect of Sodium Hypophosphite on the Structure and Properties of Electrodeposited Ni-W-P Alloys"Materials Transactions. 44・4. 705-708 (2003)
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[Publications] J.Ahmad, K.Asami, A.Takeuchi, D.V.Louzguine, A.Inoue: "Amorphous Co-Ni-P Alloys with High Saturation Magnetization Produced by Electrodeposition"Materials Transactions. 44・5. 911-916 (2003)
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[Publications] J.Ahmad, K.Asami, A.Takeuchi, D.V.Louzguine, A.Inoue: "High Strength Ni-Fe-W and Ni-Fe-W-P Alloys Produced by Electrodeposition"Materials Transactions. 44・10. 1942-1947 (2003)
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[Publications] A.Inoue, H.M.Kimura, A.Takeuchi: "Mechanical Properties of Metastable Alloys with Novel Atomic Configurations Obtained by Use of Stabilization of Supercooled Liquid"Materials Science Forum. 426-432. 3-10 (2003)