2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760527
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
岡井 大祐 兵庫県立大学, 大学院工学研究科, 助手 (60336831)
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Keywords | Zr_<55>Al_<10>Cu_<30>Ni_5 / 超伝導特性 / ナノ結晶 / Nb添加 / Zr-Cu-Al-Ni-Nb |
Research Abstract |
超伝導相分散金属ガラスの超伝導特性の改善するために、超伝導相分散金属ガラスの超伝導相の組織制御を試みた。Zr_<55>Al_<10>Cu_<30>Ni_5金属ガラスにNb元素を添加することで、超伝導相分散バルク金属ガラスの作製を行った。Ar雰囲気中でアーク溶解した母合金を型締め鋳造法を用いてZr_<55>Cu_<(30-x)>Al_<10>Ni_5Nb_x(x=0、1、3、5 at.%)バルク金属ガラスを作製した。作製された金属ガラスはX線回折装置を用いて構造解析,高分解能透過電子顕微鏡(HRTEM)を用いて組織観察、示差熱分析装置を用いて熱的特性を評価した。電気的特性は四端子法を用いて評価した。x=0の合金はアモルファス単相であったが、x=1、3、5の合金ではナノサイズの結晶がアモルファス母相中に分散していることがわかった。Nb元素の添加量が増加するにともない、アモルファス中に分散するナノ結晶の粒径が大きくなり、Zr_<55>Cu_<(30-x)>Al_<10>Ni_5Nb_x合金はアモルファス単相から結晶化が進むことがわかった。示差熱分析測定において、全ての合金がガラス転移を示した。合金の過冷却液体温度領域(ΔTx)は77K〜86Kであった。これにより、Zr_<55>Cu_<(30-x)>Al_<10>Ni_5Nb_x合金は金属ガラスであった。x=0のZr_<55>Al_<10>Cu_<30>Ni_5金属ガラスはアモルファス単相であるため、2Kまでアモルファス特有の高抵抗を示したが、一方、x=1、3、5のZr_<55>Cu_<(30-x)>Al_<10>Ni_5Nb_x金属ガラスは超伝導相を含んでいるため、約2.2K〜2.7Kの温度範囲で急激に電気抵抗が減少した。金属ガラスに混在する超伝導相としては、Tc=2.2KのZr_2Cu、Tc=2.7KのZr_2Niであると考えられる。Nb元素の添加量が増加するにしたがって、Zr_<55>Cu_<(30-x)>Al_<10>Ni_5Nb_x金属ガラスの電気抵抗が急激に減少し始める温度(Tc_<ON>)が、高温側にシフトした。これは、Nb元素の添加量が増加するにしたがって、金属ガラス中に晶出する超伝導相がTc=2.2KのZr_2Cu合金からTcの高いZr_2Ni合金へと変化していることに起因すると考えられる。本研究により、Zr_<55>Al_<10>Cu_<30>Ni_5バルク金属ガラスにNb元素を添加することで、超伝導性Zr-Cu-Al-Ni-Nbバルク金属ガラスを作製することができることを明らかにした。Zr_<55>Al_<10>Cu_<30>Ni_5バルク金属ガラスへのNb元素の添加は、金属ガラス中の超伝導相の制御に有効であることがわかった。Nb元素の添加量を最適化することで、Zr-Cu-Al-Ni-Nbバルク金属ガラスの超伝導特性をより改善することができる。
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Research Products
(4 results)